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zoom RSS 「日本アニメはディズニーを目指せ」という無茶な提言

<<   作成日時 : 2012/12/31 18:22   >>

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ビジネス分野の人が日本のアニメーションやマンガを話題に取り上げ、いかにグ

ローバルな展開で商売をすべきか、といった提言をしばしば目にします

しかし、日本のアニメーションやマンガの特性、魅力というものをまったく理解でき

ていないがゆえに、その発想がズレていたり、提言自体が机上の空論だったりす

る場合があります

ビジネスジャーナルというウェッブサイトが、「ディズニー、トランスフォーマーの成

功に学ぶ 人気キャラ抱えるアニメ産業、出遅れた海外市場開拓のカギ」と題する

提言を掲載しています

しかし、読んでいて「何だかな」と思う内容であり、およそ日本のアニメーションの発

展には寄与しそうにない提言になっています。強いて例えるなら、中国や韓国メデ

ィアがアニメーション産業を語るときの、あの現実を見ずに空論を弄んでいる感覚

に近いものがあります


ディズニー、トランスフォーマーの成功に学ぶ
人気キャラ抱えるアニメ産業、出遅れた海外市場開拓のカギ
http://biz-journal.jp/2012/12/post_1241.html


日本のアニメーションやマンガを海外に売り込み、もっと儲けるべきだとの考えを

否定するつもりはありませんが、売り込むために記事にあるような「ディズニーの

ビジネス原則」を踏襲すべきなのでしょうか?

ディズニーのきめ細かい配慮というものに突っ込みを入れてみましょう

(1)徹底してエンターテインメント性を志向している。世界中でヒットする作品を企
画し、制作する。それがヒト、モノ、カネ、情報、技術を呼び集め、さらに大きなビ
ジネスチャンスをつくっていく。

エンターティメント性と書いても、その中身は多岐にわたっています。いわゆるデ

ィズニー風のハッピーエンドだけがエンターティメントではありません

日本のアニメーションの特徴はディズニーのお約束的なハッピーエンドではなく、

より複雑なストーリー構成によって、視聴者を感動させるところにあるわけで、そ

の長所を捨ててまで薄っぺらなハッピーエンドを志向すべきだとは思いません

(2)脚本は、ストーリー構成がしっかりしていて、民族・宗教・人種・習慣などの違
いや壁を超えて、人類や人間社会に普遍的に当てはまるテ−マを選び、みんな
が楽しめるように創意工夫している。

これも理解不能な提言です。日本のアニメーションは日本人の視聴者をまずは第

一に考えており、日本の精神風土に馴染む内容として作られます。それを捨てて

世界に通用する(人種や宗教、民族を超えるとはいうものの、それでは中身のな

い薄っぺらな世界観しか提供できません)作品にする必要があるのでしょうか?

無国籍化した「エヴァンゲリオン」など、あまりに軽薄で見ていられません

それに日本のアニメーションは日本人の精神風土に根ざした世界観を掘り下げる

形ではありますが、それでも海外の人に支持されるのは作品のテーマが異国の人

にも理解可能な普遍性を備えているからでしょう

だからといって企画のすべてを日本で行い、日本人向けに作ればよいとは言いま

せん

今後は最初から海外での公開を目指し、海外へキャラクターグッズを売り込む狙

いでアニメーションを制作するケースも増えると思われますので、そんな時にはこ

の提言も役に立つのでしょう

この記事を書いたジャーナリストが根本的に誤解しているのは、ディズニーに「シ

ンデレラ」は作れても「エヴァンゲリオン」は作れない、というところです

日本ではもちろん「アルプスの少女ハイジ」のように海外の童話・児童小説をアニ

メーションでやってきましたし、海外への展開でも成功を収めています

それとは別の展開で「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」をやってきたのであり、ディ

ズニーとは別の方法論でアニメーションを生み出すことは十分に可能です(それで

海外へのビジネス展開が成功する、というものではないのは上記の記事にあると

おりですが)

☆ ☆ ☆

年明けまで仕事の予定が入っているため、ブログの更新もままなりません

稚拙なブログを読んでいただき、誠にありがとうございました

来るべき新年は少しでも良い年であるよう祈念しております。皆様もお健やかに新

年を迎えられますように

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