夾竹桃日記

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zoom RSS 日弁連の「死刑廃止宣言」を称賛する新聞社

<<   作成日時 : 2016/10/09 17:42   >>

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日本弁護士連合会が死刑廃止宣言を採択したのを受け、これに賛同する社説

を掲げている新聞がいくつもあります

新聞社の社説に噛み付いたり、批判しても何かが起こるわけでもないのですが、

そこに見える薄っぺらな論理は到底承服できません

折角の機会なので、これら死刑廃止推進派の薄っぺらな論理について考えてみ

ましょう

数ある社説の中から、信濃毎日新聞の社説を選んでみました


国家が人の命を奪う。この究極の刑罰にどう向き合うのか―。
長年の問いに日本弁護士連合会が方向を示した。きのう開いた人権擁護大会で、
2020年までに死刑制度の廃止を目指す宣言をした。従来の「議論を始める」とい
う立場からの転換だ。
死刑制度はもはや遠い世界のことではなく、私たちが直面する問題として考えな
ければならない時代になった。7年前に裁判員制度が始まり、有権者なら誰でも
裁判員として死刑に向き合う可能性があるからだ。今回の宣言を国民的議論に広
げる契機としたい。
日弁連が「廃止」を打ち出した背景には、世界の状況の変化や死刑確定後の冤
罪(えんざい)発覚がある。
死刑廃止は今や世界のすう勢だ。昨年末までに死刑を全面廃止した国・地域は1
02で20年前の2倍近くになっている。先進国で死刑執行を続けるのは日本と米
国の一部の州だけだ。
どの国でも凶悪犯罪は起き、厳しい処罰感情がある。それでも最高刑から死刑を
外した経緯に学ぶ必要がある。
その一つが裁判の過ちだ。
一昨年、死刑が確定していた袴田巌さんが48年ぶりに釈放された。証拠が捏造
(ねつぞう)された可能性が高いと、再審開始決定が出たからだ。地裁、高裁、最
高裁と三審制の枠内でも再審請求の3回の裁判でも見抜けなかった。
袴田さんに限らず、過去には免田、財田川、松山、島田の各事件で最高裁が死刑
を確定させた4人の再審が認められ、いずれも無罪になった。死刑が執行されてい
たら取り返しがつかなかった。
犯罪被害者の遺族やその支援団体の弁護士の間からは死刑廃止に反対する声
が出ている。理不尽にも肉親を殺された遺族の心情は察するに余りある。
ただ、「死には死を」で加害者をこの世から抹殺することが適切かどうか判断は分
かれる。生きて償い続けさせることを望む遺族がいることにも目を向けたい。
(以下、略)


死刑廃止論者は決まり文句のように、「死刑廃止は世界の趨勢だ」と切り出します

そして世界の先進国がこぞって死刑制度を廃止しており、日本だけが例外なのだ

と強調します

一国の刑罰制度はその国の国民が法体系として決定するものであり、それが時代

錯誤のような残虐な刑罰ならば国際的な批判もあり得るのでしょう。しかし、日本の

死刑制度が世界中から非難されるようなものであるとは思えません

世界の趨勢だから従え、との屁理屈は、まったく説得力が感じられないのです

かつてEUが日本に対し、死刑制度を廃止せよと求めた件がありました。こうした外

圧に対しては、「日本は犯罪者の人権を尊重するが、それよりも犯罪被害者や遺族

の人権をより重視し尊重している。あなたがたとは価値観が違うのだ」と反論すべき

でしょう

そして次に死刑廃止論者がお約束のように持ち出すのが「冤罪」です。100%冤罪

を防ぐことができない以上、死刑は廃止すべきだと主張するわけです

しかし、犯罪被害者の遺族は、「冤罪を防ぐための裁判をするのが本来であり、冤

罪を死刑廃止の理由にするのは大間違い」と批判します

本来、冤罪はあってはならないもので、司法関係者はそのために慎重、かつ誠実に

職務を遂行する必要があり、裁判では審議を尽くす必要があります。冤罪を生むの

司法に携わる者として恥、と肝に命じるところでしょう

ですが、1個の冤罪のためにすべての死刑執行を停止するとか、死刑制度を廃止す

るのが妥当だとは考えられません

そのために再審制度もあるわけです

新聞社は上記のような冤罪事件が大好きのようで、「死刑台からの生還」などと大

げさな見出しをつけて「無罪」と強調します。しかし、こうした冤罪事件の中には別件

の窃盗事件で逮捕し、自白を共用して強盗殺人で起訴し、一度は死刑の判決が出

たもののその後、強盗殺人事件に関しては無罪(ただし、別件の窃盗事件は有罪)

となった例も含まれます

すべてを、「無実の市民が当然逮捕され、死刑判決を受けた」かのような扱いは不

当です

そして仮釈放のない終身刑が死刑の代案のように提起されるのですが、無期懲役

受刑者の平均服役期間が約35年であるのを考えると、わざわざ終身刑を設ける必

要があるとは思えないのです(もちろん、無期懲役は終身刑ではないというのが法

制度上の建前ですが)

無期懲役受刑者の仮釈放に被害者遺族の意見を反映させるようにすれば、仮釈

放が認められるケースは大きく減るのでしょう。実態として仮釈放のない終身刑と同

等になります

さて、日本弁護士連合会に対抗し、犯罪被害者・遺族を支援する団体が人権シンポ

ジウムを開催し、「死刑存続宣言」を圧倒的多数の賛成で採択した場合、新聞社は

これをどう報じるのでしょうか?

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