語ることも童子(わらべ)のごとく

アニメーション監督押井守は作品の中にしばしば聖書のことばを引用しています

我童子(わらべ)のときは語ることも童子のごとく
思うことも童子のごとく、論ずることも童子のごとくなりしが
人となりては童子のことを棄てたり
(新約聖書 パウロの手紙より)

押井監督がタネ本として使っているのが筑摩書房版「世界古典文学全集5巻 聖

書」だと知り、古書店を探し回って手に入れました

古めかしい文語体の文章が味わい深く、いにしえの歌を口にするような独特のリ

ズム感があって好きです。キリスト教徒ではないのですが

さて、前置きが長くなりましたが、今回は小学校の保護者の集まりでの出来事につ

いて書きます

保護者が集まった席で突然一人の女性が、「先生のえこひいきが許せない」と告発

を始めました

学級内で特別にひいきされている子がいる、との主張は彼女の娘が母親に訴えた

ものなのでしょう

話をしているうちに彼女は感情がたかぶり、泣き出してしまいました

あたかも教師のえこひいきを必死に母親に伝えようとする児童のように

彼女がわが子の憤慨振りに同調したからだと言えばそれまでですが、もう少し背景

に踏み込んでみましょう

家庭内でこどもたちが親の愛情を獲得するため激しい競争をしているように、学校

でもこどもたちは教師の愛情を獲得しようと日々、激しい競争をしています

こどもたちが「えこひいき」について過敏な反応を示すのも、このためです

彼女の娘が「先生が特定の子をひいきにしている」と告発したのは、教師の愛情を

獲得しそこねたためであり、本来は自分が教師の愛情を獲得していたはずだとの

思いがあります

そして母親は、教師の愛情獲得に失敗した娘の話を聞き、あたかも自分が愛情獲

得競争で敗れたかのように感じとったのでしょう

こどもはひたすら親の愛を求めます。兄弟姉妹と同じように、平等に愛されたいと思

うのではなく、自分が一番多くの愛情を受け取ろうとします

学校においてもこどもは自分が誰よりも多く教師の愛情を獲得しようとします

「えこひいきをせず平等に接してほしい」というのは建前です

親がこどもの心情を察するのは重要ですが、こどもと同じ目線からしか物事を見れな

いようでは困ります。ちょっと視点を変え、大人としての立場からこどもが何を訴えた

いのか、求めているのか考えてみてはどうでしょうか(難しいわけですが)

最近は何かあると腕まくりして学校へ怒鳴り込む親が増えているようで、現場の先生

は大変だろうと思います

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