桜が咲いて旅人である  種田山頭火

五七五の定型にとらわれない自由律の俳句を詠んだ種田山頭火

定型の伝統的な俳句をたしなむ方からは字余りはよろしくない、字足らずでは駄目だ

と言われそうですが、それでも自分は自由律の句が好きです

たびたび触れますが精神分析は言い間違い、度忘れ、書き間違い、記憶違いなどに

重要な意味を見出します

あるいは過度の饒舌、または沈黙、言葉足りずの表現も深い意味が込められている

として扱います。まなざし、しぐさ、表情も解釈すべき重要な要素です

七五調の枠にはまらない、字足らずや字余りの句に惹かれるのも、字足らずや字余

りの表現に作者なりの情感があるに違いないと思うからかもしれません

中学生くらいの年頃の子は男女を問わず、むっつりと不機嫌な様子で言葉数も少なく

自分たちの前に現れます。あるいは苛立っていたり、感情を押し殺して表情を消してい

る子もいます

沈黙は一つの意思表示(自分は好き好んでここにきたわけじゃない)であったり、勝負

(どちらがじれて先に口を開くか)であったり、相手の出方をうかがうサイン(で、どう?)

だったりと、さまざまな意味が込められています

そうした子どもの様子を観察したうえで、我慢比べに応じてこちらも沈黙を続けたり、あ

るいはまるで関係のない話を持ち出して不意打ちを試みたり、いきなりぶっちゃけてみ

たりと、いろいろな手を使います

すっかり的をはずし、鼻で「フン」と笑われたりしますがめげません

以前、心理職の若い女性の仕事振りをちらりと見たとき、大変気になる発見をしました

彼女は有名国立大を優秀な成績で卒業した才媛で、とても実直な人です

その彼女が面接をしているとき、相手の様子をまったく見ることもなくひたすらノートに

向かい筆記に集中しているのです。まるで重要な発言をひとことでも書き漏らしてはい

けない、とばかりに

確かに相手の話は漏らさず記録できているのでしょうが、発言の間合いやら表情の変

化、しぐさなどは記録にも記憶にも残らないのです

完ぺき主義というより強迫神経症かな、との思いが浮かびました

面接終了後、彼女はノートを抱えすっかり疲れ果てた様子で部屋から出てきました

一般にカウンセリングというのは一つの技法と思われがちですが、基本となる理論は

三十以上あり、それぞれ流儀・流派も異なり、技術にも違いがあります

資格認定団体も乱立気味で、知らないあいだに○○心理士なんて資格が登場してい

たりもします

しかし結局はどの資格がすぐれているかではなく、個人の技量しだいなのだろう思い

ます




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