心理学で商売 加藤諦三

いまの若い方はご存じないでしょうが、かつて若者向けの人生指南の書として加藤諦三の

本が大量に販売されました

暇な方はインターネットで検索してみてください
http://www.katotaizo.com/book.html

その著作の量、本のタイトルの数々に驚かれると思います。心理学を商売の道具として利

用し、タレント的な活動で成功した第一人者が加藤諦三です

だからといって数々の著作を頭ごなしに否定するつもりはありません

これだけ数多くの本が出版され、読者を獲得した事実を重く見るべきでしょう

いつの時代も若者は自分の生き方や進むべき方向を考え、迷い、悩みます。そこで指針を

与える役割が求められるわけです。手垢のついた表現を借りるなら、「時代が加藤諦三を

求めた」といえます

昔は自分の周りにも加藤諦三の本を読んでいた人間がいましたし、「早稲田大に行って加

藤先生のところで心理学を勉強したい」というほど惚れ込んでいる者もいました。彼はその

後どうなったのやら

一般の方は心理学を一つの学問体系だと理解していますが、実はさまざまな植物が生い

茂るジャングルのようなものです。そこに生える木々からコケやカビまでも含めて心理学と

称しているわけです

多種多様が理論をひっくるめて心理学として扱っているため、心理学者でもその主とする

理論によって見解も主張も大きく異なります

高校生で「心理学を学びたい」と志望する人も少なからずいるわけですが、大学によって

心理学系の講義内容に大きな違いがある事実が理解できないと思います

そのため「臨床を学びたいと思って大学に入ったのに、ネズミの実験ばかりやらされる」と

いった食い違いが発生します

教育学部の心理系と社会学部の心理系では、心理学という名称でも学ぶ内容まったく別

だと思った方がよいのです

高校の進路指導や予備校のガイダンスではそこまでの情報は提供していません

さて話を加藤諦三に戻します

数多くの著作はその主張がどうあれ、読者は「どうやったらよりよく生きられるか」という指

針として、困難や不安を乗り越える励ましとして読んでいるのだろうと思います

それは学問としての心理学とは縁遠いもので、むしろ「自己啓発」や「成功の哲学」といっ

た領域に属するものです

純然たる心理学にそうしたものを期待するのは勘違いです

また心理学の教授には変人が多く、人生の師となるような人格者はいません。ですから

加藤諦三の本を読んで、何でも受け入れてくれる心の広い人生の師との出会いを期待

して心理学系の大学へ進むと失望します

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