こどもへの虐待を考える 我が家の教育方針

同じ仕事をしている後輩の家へ立ち寄ったときの話です

3歳か4歳くらいの彼の息子が父親に抱きつき離れようとはしません。彼は「お客さんと話

しがあるから」とふりほどきにかかりましたが、息子も力いっぱいしがみついています

彼は息子にげんこつを食らわせ、ふりほどきました

そのとき彼は、「我が家の教育方針です」と平然としていました

どこまでがしつけで、どこからが体罰・虐待なのか、議論を始めるとほとんどの場合収拾

がつかなくなります

議論をしている当人たちも何を論じているのか分からなくなるほど、こみいった話になって

しまいがちです

おそらく誰もが納得する形でしつけと虐待の線引きをするのは無理であり、議論するのも

無益ではないのか、と

たとえば上記のように、「我が家の教育方針です」と言い切る人にはこちらから何を言って

も通じません。「反論があるなら反論してみろ」という態度なのですが、実質は反論さえ拒

絶しているわけです

何を言われようが自分の考えは変えない、との宣言です

児童相談所の職員が虐待の疑われる家庭に赴いて話をしようとしても、こうした拒絶に遭

い、そこから先に踏み込めない状態に陥るのだろうと思います

児童相談所には育児放棄や虐待の疑われるこどもを一時的に保護する権限が認められ

ていますが、これも万能ではありません

こどもを引き離される事態にはとことん抵抗しますし、保護に成功してもすぐに親とその親

戚、友人、知人など徒党を組んで児童相談所に押しかけ、職員に食ってかかり、こどもを

取り返そうとするケースもあります

こうした場合、こどもを引き離されたことに怒っているのではなく、虐待の事実が露見する

のを恐れ隠蔽しようとしていると考えられます

親たちの勢いに負けてこどもを家庭に返してしまい、その後親や祖父母の手で殺害され

たという事件もありました

児童相談所の機能を強化するためにも、家庭に介入できる強力な権限を与えるべきでは

ないのかと考えもありますが、どうでしょうか

家庭へ介入を認めるような権限を与えるべきではないと反対する立場の人もいますが

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学習研究社
杉山 登志郎

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