一身独立して一国独立す 「お受験騒動」

「一身独立して一国独立す」が福沢諭吉のことばだと知ったのはつい先日です
アニメ「攻殻機動隊」の2期シリーズの中で土壇場に追い込まれた茅葺総理が口にするセリフの中に登場したのを記憶していますが、出典については調べようともせず放置していました
こどもの頃、福沢諭吉の伝記を読んだのですが、咸臨丸に乗ってアメリカへ行った話が印象に残っているくらいです
伝記では明治以降の福沢の言論・主義主張について「学問ノススメ」が取り上げられているくらいで、ほとんど言及されていなかった気がします
さて、「お受験騒動」の方ですが
かなり前になりますが、こどもたちと親の「お受験騒動」を取り上げたテレビ番組を見ました
エスカレーター式の有名小学校にこどもを入れたい親が予備校に通って準備をし、受験のために親子して出かける様子をドキュメンタリー風に描いていました
番組は一組の親子を追いかけるのですが、「本命」として狙っているのは有名私立大付属の小学校です
親は予備校で面接時の受け答えの仕方までレクチャーを受けます
そこで慶応幼稚舎を志望する理由をどう説明し、アピールすべきかも教えられるのです
母親の女性は「福沢先生の教育方針に感銘したので、ぜひ慶応幼稚舎で学ばせたいと思いました・・・」と言うようノウハウを伝授されるのです
受験のためのテクニックですからその良し悪しを言うつもりはありませんが、この両親はおそらく福沢諭吉の著作なんて一度も読んでいないのだろうな、と感じました
自分も番組を見た時点では福沢諭吉に関心がありませんでしたので、まったくその著作は読んでいなかったのですが
福沢諭吉の「脱亜論」が再び注目されています
支那朝鮮とは義絶し(関係を絶って)欧米と組むべし、と福沢が唱えたとき、多くの人は「欧米かぶれが何を言うか」と憤慨したのでしょう
当時はアジアの同胞である支那朝鮮を日本が助け、欧米に対抗すべきだとの考えが根強かったのでしょうから
日本の知識人たる武士階級は中国文化を範とし、憧れを抱いてきました。中国には孔子や孟子のような思想家がいて、杜甫や李白のような詩人がいる。できれば李白のような詩人と酒を酌み交わし、詩文を交換したいと願ってきたわけです
ところが清朝末期の中国や李朝末期の朝鮮はとんでもなく腐敗した社会であり、論語や漢詩の世界とはかけ離れたものだったのです
福沢はその事実を踏まえた上で「脱亜入欧」を唱えたのでしょう
時代を読み取る確かな感覚・知性が備わった人物だったと見直しています
さて「お受験」の方ですが、結局は「慶応」というブランドへの憧れが志望動機なのだろうと思います
番組ではいくつかの名門私立小学校の受験に失敗し、落胆する親の姿が映っていました。しかし、親のブランド志向に振り回され、「お受験」に付き合わされたこどもの方が気になります
テレビカメラの前で親は何も言いませんでしたが、おそらくはこどもに責任を押し付ける結果になったのではないでしょうか
十年後も二十年後も、慶応幼稚舎不合格の恨みつらみをこどもにぶつけ続けるような気がしてなりません
「一身独立して一国独立す」の言葉を援用すれば、親はまず親としての役割を果たすべきで、こどもに責任をかぶせるような真似は慎まなければなりません
こどもは親の属物ではないし、親の人格の一部でもないからです
高校受験や大学受験の失敗ならこどもの責任ですが、小学校入学前のこどもに過剰な期待を押し付け振り回してどうするのやら
世間には「お受験」のノウハウを説く本や、受験のための塾があふれていますが

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