長い夢の終わり 映画「ユリシーズの瞳」

カンヌ映画祭も始まりました。引き続きこちらも映画の話を

テオ・アンゲロプロス監督の映画「ユリシーズの瞳」は95年カンヌ国際映画祭グラン

プリ(審査員特別大賞)を受賞しています

カンヌ映画祭の場合グランプリは一等賞ではなく、あくまでパルムドールが一等賞

です

アンゲロプロス監督の「旅芸人の記録」などを観た方にはおなじみの展開で物語が

進みます。つまり「現時点の場面」と「過去の追憶の場面」が前置きなしに入れ替わ

るのです

初めて観る方は混乱すると思いますが、「人は己の中に過去と現在が複雑にから

みあった思念を保持しており、決して過去から切り離されて自由ではいられない」

のだという監督のコンセプトと受け止めてください

長い作品のためストーリーを追いかけるのも大変ですが、自分にとっては夢の中

をたゆたう感覚で楽しめました

もちろん否定的な意見もありますが
http://www.eiga-kawaraban.com/96/96040703.html

アニメーション監督の押井守は「思い出をその記憶と分かつものは何もない。 そ

してそれがどちらであれ、それが理解されるのは常に後になってからのことでしか

ない」 との言い回しを好んで使います

人間は事実を記憶しているのではなく、多分の主観によって脚色され誇張された

思い出を溜め込んでいるのであり、それは想起されるたびにとめどなく変化する

ものです

映画のフィルムに焼き付けられた記憶は色あせはしますが、変化はしません

「ユリシーズの瞳」は古い映画フィルムを手に入れるため、内戦の激化するユー

ゴスラビアへと向かう映画監督が、さまざまな過去の思い出と遭遇しつつ旅をす

る物語です

(関連記事)
映画監督テオ・アンゲロプロス 交通事故で亡くなる
http://05448081.at.webry.info/201201/article_40.html
韓国映画「マイウェイ」大コケ
http://05448081.at.webry.info/201201/article_39.html
第64回カンヌ映画祭 日本からは2作品がエントリー
http://05448081.at.webry.info/201104/article_35.html
市川海老蔵の映画「一命」 大コケ
http://05448081.at.webry.info/201111/article_36.html
カンヌ審査員賞 是枝監督「そして父になる」
http://05448081.at.webry.info/201305/article_29.html
是枝監督のパルムドール受賞を羨む中国
http://05448081.at.webry.info/201805/article_17.html

テオ・アンゲロプロス全集 I~IV DVD-BOX II
紀伊國屋書店
2004-06-19

ユーザレビュー:
幻のフィルムユリシー ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ