精神鑑定

久米宏の「ニュースステーション」で、朝日新聞論説委員の萩谷順が精神鑑定の問題に触れていました
刑事事件で責任能力が問われるケースでは精神鑑定が行われるのですが、異なる鑑定結果が出る場合があります
萩谷はこれを「けしからん」と言うわけです
精神鑑定の方法すらばらばらで、統一されていないのは問題だと
これは精神医学・心理学についての理解が足りないゆえの発言でしょう
あらゆる精神現象・症状を説明できる統一理論など存在しません。精神科医にしろ心理学者にしろ、拠って立つ理論によってその考察には違いが生じますし、結論も異なるのです
あらゆる症状を説明できる一個の理論が存在しない以上、それは仕方のないことです
精神鑑定の方法が統一されている国がどこかにあるのでしょうか
むしろ精神鑑定を実施する際に、ある特定の理論や方法論だけが採用され、それのみで鑑定が行われたとしたらどうでしょう
鑑定結果が偏り、公正な裁判の妨げになるのではないかという気がします
異なる理論により、ことなる角度から鑑定を行う方がメリットがあるのではないでしょうか。たとえ鑑定結果が異なったとしても
一つの物体を縦に切っただけでは見えない部分も、横から切ったり斜めから切ることで見えてくるものがあります
連続幼女殺人事件の宮崎勤の場合も2度の精神鑑定が実施され、異なる結果が出たのですが、だから鑑定などやっても無駄だと断定するのは早計です
鑑定結果を比べてみることで見えてくるものがあるからです
事件を一つの角度からしか見ようとしない萩谷のようなジャーナリストには理解できないのかもしれませんが

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