畠山鈴香被告について考える 2

もう少し具体的に書かないと、どのような働きかけの方法があるのか読んでくださる方には伝わらないと思いますので続きを
方法や手順はいろいろあるわけですが、一つの試みを考えてみます
したがってここに書く方法がベストというわけではありませんし、絶対に正しいというものでもありません。あくまでも一つのモデルです
最初に過去の記憶の中から、父に対する怒りや母に対する不満を引き出し、これをことばにして語らせます。無意識の中に抑圧してきた思いを言語化させるのは、それを意識上に呼び出し本人に洞察させるためです
ことばにできなかった怒りや不満を言語化して吐き出させると一定のカタルシスが得られます
しかしそれが狙いではありません。分析に積極的に取り組む動機付けのためです
そして生育歴に沿ってさまざまな記憶を想起させ、連想させ、それを本人に言語化して語らせ、解釈してゆきます
彼女がこども時代に感じた痛みや苦しみ、悲しみ、悔しさ、怒りを引き出しながら、今度は殺してしまった娘の側のさみしさや痛みを想像させます
己のこども時代の体験と娘の置かれていた境遇、自分が娘にした仕打ちについて考えさせ、娘が母親に何を求めていたのか、自分が娘に何をしてやるべきであったのか、洞察させます
次には殺してしまった男の子とその家族について、同様の作業を進めます
「時間と手間をかけてそんなまだるっこしい真似をせず、最初からガツンと説教してやればいいんだよ」と主張する人もいるでしょうが、他人から説教されてもほとんど人の内面には響かないものです
特にこどもの頃から怒鳴られたり、殴られて育った人間は防衛的な構えが強く、大人の説教には「うん、うん」と頷く振りをして聞き流す術を身につけているためです
ですから自分の口で言語化させ、語らせる(意識化させる)必要があり、他人が代わって言語化(説教)しては駄目なのです
とはいえすべてがうまく運ぶわけもなく、他人に責任を転嫁するばかりで洞察が深まらなかったり、あるいはかえって混乱がひどくなり記憶を封じ込めたりする場合も考えられるので、注意深く観察しながら進めなければなりません
押し付けたり、命令したり、強引に誘導してもよい結果は得られません
具体的な分析の進行とその記録を記した本はいくつもありますが、ここはメラニー・クラインの「児童分析の記録Ⅰ」と「Ⅱ」を紹介しておきます
クラインが10歳のこどもを分析し、彼の内面世界をいかに引き出したか詳細に記録されています

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児童分析の記録 (メラニー・クライン著作集)
誠信書房
メラニー クライン

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