劇場版アニメ「宮本武蔵-双剣に馳せる夢」

押井守原案・脚本の劇場版アニメ「宮本武蔵-双剣に馳せる夢」(西久保瑞穂監督)が13日から封切られました


江戸時代初期の剣豪、武蔵が晩年に書いたとされる「五輪書」に基づいて、押井が武蔵の生涯と剣法「二天一流」の謎に独自の解釈で迫った、作品だと報じています
さて、どうなっているんでしょう。見たいような、見たくないような
宮本武蔵については吉川英治の小説が定番となっています。しかし、最近の研究によれば吉川版小説の武蔵と史実の違いが次々と明らかになっています
武蔵は京都で将軍指南役の吉岡清十郎、伝七郎兄弟と対決したことになっています
が、吉岡家の家系図に清十郎や伝七郎は存在せず、吉岡道場が看板を下ろしたのも武蔵が対決をしたと言われる時期よりもっと後になってからです
また、佐々木小次郎という武芸者・剣士も実在した史実がなく、そうなれば巌流島の対決もなかったことになります
これらは江戸時代に成立した講談の中で語られた武蔵の武勇談であり、それを小説に仕立てたのが吉川英治です
話の出所は武蔵の養子で小倉藩家老でもあった宮本伊織が、武蔵の偉業を後世に伝えるため建立した石碑に刻まれた碑文にあります。そこには吉岡一門との対決や巌流と称する武芸者との対決など武蔵の戦歴が述べられているわけで、これが講談のネタです
伊織が嘘を碑文に刻んだとは考えにくいのですが、さてどうなのでしょう
伊織自身、こうした武蔵の真剣勝負の場に立ち会った経験はなく、後日、話として聞かされた内容をそのまま事実と信じていたのかもしれません
実在した武蔵がどのような人物であったか想像するしかないのですが、自分の武勇談をべらべらしゃべるような人間だったとは思えません
伊織に訊かれるまま、「昔、こんなことがあったよ」と言葉少なに、「いつ、どこで、誰と」を曖昧にしたまま語ったのを、伊織が自分で補足し武蔵の遍歴に仕立てたとも考えられます
佐々木小次郎を鐘巻自斎の弟子だと吉川英治が書いたのは、後世に作られた偽の印可状を吉川が手に入れたためだと言われており、史実としての証拠はありません
ですが、史実と違うからといって吉川英治の小説の価値が否定されるわけもなく、十分に物語として堪能できます
さて、押井版「武蔵」はどうでしょうか?

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宮本武蔵〈1〉 (吉川英治歴史時代文庫)
講談社
吉川 英治

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