「涼宮ハルヒの憂鬱」第14話(1期シリーズ最終回)を考える

殺人事件、死刑問題、政治を巡るゴタゴタというネタばかりではうんざいりします
ので、「涼宮ハルヒの憂鬱」第14話(1期シリーズ最終回)を取り上げます
涼宮ハルヒが退屈な日常にうんざりした結果、彼女がその能力「世界を作り変える力」を発動させようと試みる話です
新たな世界にはハルヒとキョンしか存在しません
そこでキョンは「元の世界に戻りたくないか」とハルヒに問いかけるのですが、ハルヒは新しい世界の始まりにワクワクしており、キョンのことばに耳を貸そうとはせず、「今が楽しい」と口にします
それでもキョンはSOS団のメンバーと一緒にいたいと言い張り、ハルヒは「わけわかんない」と反発します
ハルヒにしてみれば退屈な日常から離れ、「新しい世界の始まり」に直面していわけです。当然、キョンも自分に付き従って新しい世界の住人になるものと信じていたのですから、キョンの言い分は「わけわかんない」ものでしょう
しかし、ハルヒが無意識的に発動させていた「世界を作り変える力」を押さえ込んで、元の世界へと回帰します
これを「恋に落ちたハルヒがキョンの願いを受け入れたから」だと解釈する人もいるようです
ですが、ハルヒは「たまたま高校で同じクラスになった男の子と恋愛する」なんてベタな設定を毛嫌いしており、それこそハルヒの敵視する退屈な日常そのものでしょう。恋愛をするなら一世一代の大恋愛でなければならず、飛び切りの出会いでなければ満足しないはずです
翌日の教室でハルヒが「悪夢を見た」と嘆くのは、ベタな学園恋愛ドラマみたいな設定に図らずも心が揺らいでしまい、ときめいてしまった自分への嫌悪の表れなのでしょう
つまり、「世界を作り変える力」の発動を抑制したのはハルヒが恋に落ちたからではありません。キョンの「元の世界へ戻りたい」という願望を受け入れたからでもありません
キョンに見つめられて心がときめき、動揺をきたしたからなのだと思います
そんな「普通の女の子」反応をしてしまった自分が許せないハルヒなのです
「世界を作り変える力」を自覚していないハルヒに、元の世界へ戻りたいというキョンの願望を受け入れ実現させようとの自覚は生まれようもありません
ファイルの書き換えを実行しようとして、途中でキャンセルしたから元のファイルのままだった、と表現すれば分かりやすいでしょうか
ハルヒが「キョンに好意を抱いている自分」をうすうす自覚するきっかけになった事件ですが、だからといって「たまたま同じクラスになった男子に恋をするなんてベタな展開は許せないし、ありえない」と頑なに思い込んでいるところは変わりません
この制約が涼宮ハルヒの憂鬱」を面白くするのですが、同時に足かせにもなっていきます

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