映画「火垂るの墓」を極右映画だとして上映中止にした韓国

さて、昨日に続き日本のアニメーション作品が海外でどう受け止められているか、語りたいと思います
今回は「火垂るの墓」が韓国でどう受け止められているか、について触れます
なお、「火垂るの墓」の海外の反響は過去2回、当ブログで取り上げています

「最高の反戦映画だ」と主張する意見に対し、「(戦争の)加害者か、被害者かという話ではなく、人がいかにあるべきか、人の尊厳とは何かを考えされる映画だ」との意見もあったりして、より作品の本質に迫ろうとする真摯な発言の数々に頭が下がる思いがしました
他方、2005年に韓国で公開される予定だった「火垂の墓」ですが、「日本人は戦争の被害者だする右翼思想の映画だ。けしからん」という韓国世論により上映が中止されました
その経緯・背景について韓国の新聞、中央日報の記者が意見を述べています

【記者ブログ】「火垂るの墓」めぐる極右映画論議

あのアニメーションを見て「右翼思想の映画だ」と思う人がいたなら、かなり風変わりな感性の持ち主でしょう。監督である高畑勲も左翼思想の持ち主として知られているのですから

太平洋戦争を素材にした日本作品をめぐる「極右」論議よりも重要で深刻な問題は、正しい歴史認識を持っていない日本の若者たちが、この作品を見て、あたかも日本も戦争の被害者だという誤った歴史認識を持つかもしれないという点だ。
特に、日本の「アジア侵略」を「アジア進出」と美化した歴史教科書で勉強した日本の若者たちが、「火垂るの墓」を見てどんな考えを抱くかは明らかだ。

記者のこうした認識が前提だとして、それが映画作品の価値とどう結びつくのかは不可解です。韓国の主張ならそれは映画そのものの問題ではなく、見る側の歴史観の問題になるからです
韓国の若者が記者の主張する正しい歴史認識をもっているなら、「火垂の墓」を見てもその歴史認識が揺らぐことはないはずです(彼らが正しい称するする歴史認識自体、かなりあやしいのですが)
それを上映中止にしたのは、すなわち自分たちの正しい歴史認識に自信がないからなのでしょう

「正しい歴史観」というコンテクストの理解を土台としない受容者が、テキストを正しく解釈できるはずはない。 歪曲された歴史観は、文化作品とこれを受容する若者たちの価値観にも、途方もない害悪を与えうる。

歴史観というのは唯一絶対的に正しいものが一つだけあり、他はすべて間違いであるなどと断定できるものではありません
さまざまな歴史観があってしかるべきなのです。それこそが思想の多様さをもたらし、人々の想像力をはぐくみ内省を深めさせるのですから
ところが韓国では彼らが正しいと主張する歴史観以外は決して認めようとしません
それは思想・信条の自由を侵害する洗脳です
日本は憲法によって思想・信条の自由を国民に保障していますので、韓国のように特定の歴史観だけを強制されるようなことはありません。国民が自由に歴史を語り、議論できる国です
「正しい歴史認識」という限り、韓国人は異なる歴史観を絶対に認めません。異なる歴史観を認めてしまえば、自分たちの歴史観が間違っていることになるからです
そこには思考の多様性など皆無で、「日本人は加害者。韓国人は被害者」とする枠組から一歩も抜け出せないのです
ゆえに韓国の主張はすべて正しいものであり、日本の主張はすべて間違ったものとする杓子定規な解釈しか生まれません
それが思考の硬直をもたらし、感受性を濁し、ただ自分の正当性を主張して大声でわめき叫ぶ、という現代の韓国人を作り出しているのです

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