島根女子大生遺棄事件を考える30 犯人家族の苦悩

犯罪が被害者とその家族に苦痛や悲憤をもたらすのは言うまでもありませんが、加害者の家族もまた苦しみを背負わなければなりません。加害者である犯人自身は覚悟の上の犯行でも、加害者の家族にすればとんでもない災厄です
連続女児殺害事件で死刑となった宮崎勤の家族・縁者がたどった運命については前に触れました
今回は佐川一政のパリ人肉事件を取り上げます
佐川という苗字から、一部には佐川一政が佐川急便創業者の一族だと誤解している人もいるようですが、これは間違いです
佐川一政の祖父は朝日新聞の論説員を務めた人物で、父親は事件当時伊藤忠商事から栗田工業社長に出向していた人物です。事件の責任を負う形で父親は栗田工業の社長を辞任しています
パリ人肉事件とは当時、パリ第三大学大学院に留学していた佐川一政がオランダ人女性を殺害、死姦後にその遺体を切断して食べたという事件です。カニバリズムという架空とも思われていた犯罪が現実として突きつけられ、日本社会に大きな衝撃をもたらしました
佐川一政の父親は事件後何度も欧州に足を運び、被害者遺族との間で示談を成立させました。精神鑑定の結果、佐川一政は犯行当時心神喪失であったとされ、不起訴処分となり精神病院に措置入院(強制入院)しています
当時は「金で解決した(示談を成立させて不起訴に持ち込んだ)」と批判がありました
父親は心労・過労が祟って脳梗塞に倒れますが、息子に支援の手をさしのべ続けました。一政はフランスから日本への帰国が許され、松沢病院に入院します
しかし、松沢病院での診察によれば佐川一政の精神病は否定され、カニバリズムに憑りつかれていたのではないと結論付けられています。フランスで逮捕された当時の異常な言動は警察を欺くためのパフォーマンスだったと見られています
父親は2002年3度目の脳梗塞の発作に見舞われ亡くなりますが、最後まで息子の行く末を案じ続けていたと伝えられています
世間を騒がせた人肉食事件ですが、フランス警察は精神鑑定時の資料などを日本側に提示していません
しかし、コリン・ウィルソンらが書いた本「狂気にあらず!? 『パリ人肉事件』佐川一政の精神鑑定」でその一部を垣間見ることができます
遺体損壊やカニバリズムという異常な行為が必ずしも精神異常者の仕業とは限らず、刑罰を免れるための工作であるという可能性も留意しなければなりません
佐川一政の父親は「息子を溺愛する親バカ」と批判されながらも、最後まで息子を案じ続けました。それも人の親としての責務だったのでしょう
島根の事件の犯人がこのブログを読んでいるとは思いませんが、自らの罪を背負う覚悟があるなら自首すべきでしょう。自分の家族に過酷な運命を押しつけてはなりません
この事件についてはブログで取り上げた数も増えましたので、直近のリンクだけ掲げておきます

島根女子大生遺棄事件を考える24 犯人の自己顕示欲
島根女子大生遺棄事件を考える25 むき出しの欲望
島根女子大生遺棄事件を考える26 捜査員・ブロガーの見解だ
島根女子大生遺棄事件を考える27 犯人はいま
島根女子大生遺棄事件を考える28 劇場型犯罪
島根女子大生遺棄事件を考える29 思い込みの誤り
島根女子大生遺棄事件を考える31 屍姦という行為
島根女子大生遺棄事件を考える32 情報の整理を
島根女子大生遺棄事件を考える42 容疑者死亡で送検
島根女子大生遺棄事件を考える43 矢野容疑者のプロフィール

上記の記事より過去のものは以下のリンクからたどってください


狂気にあらず!?―「パリ人肉事件」佐川一政の精神鑑定
第三書館
コリン ウィルソン

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