島根女子大生遺棄事件を考える31 屍姦という行為

この事件では被害者の遺体から性器が切除されているため、屍姦が行われたかどうかは分かりません
被害者女性が生きている段階でレイプし、その痕跡を隠滅するため性器を切除したとも考えられますが、屍姦や遺体損壊を目的とした犯行の可能性も否定できません
殺害後に遺体を姦淫し、陵辱する行為は確かに異常なものですが、その根底にあるも犯人の欲動について考えてみたいと思います
強姦殺人では被害者女性を絞殺した後に姦淫するケースも散見されます(光市の母子殺害事件など)
これは強姦そのものが目的であり、犯行の過程の中で被害者を殺してしまったため後から姦淫したと考えられますので、最初から屍姦を目的とした犯行とは別に扱うべきでしょう
もっとも、どこで線引きをするかは問題が残ります。犯人を問い詰めても「屍姦が目的だった」と口にする者はほとんどいないと思われます。前に触れた「パリ人肉事件」のように精神障害を偽装し、刑罰を逃れるため異常者を装う可能性はありますが
手許にあるハンナ・スィーガル著「クライン派の臨床」(岩崎学術出版社)に、屍姦空想を持つ男性の臨床例が掲載されています
男性の生育歴や環境については詳細を明かしておらず、「両親が貧乏でこどもが多く、彼は末子だった」と紹介されているのみです
そこから類推すれば、彼は貧乏で子沢山の環境で育ち、泣こうが喚こうが親からはかまってもらえず、他方で他の兄や姉からはモノのような扱いを受けた可能性が考えられます。つまり物言わぬ屍体同然の扱いです
大人になった彼には女友達がいるのですが、セックスしたときに部屋に呼びつけ、終わったら夜中でも構わず部屋から叩きだすという自己中心的な行動を繰り返します。彼女が抗弁したり自己主張するのを許さず、暴力も振るいます
そして彼は屍体を姦淫するという妄想にとらわれ、時には彼自身が物言わぬ屍体となり姦淫される妄想に浸るようになります
幼少時から周囲の人間と情緒的な交流・つながりをもてなかった結果、一方的に自分の欲求を相手に押し付ける身勝手な行動が身についてしまったと言えます。同時にそうした行動の中にサディスティックな衝動の発散があり、またマゾヒスティックな快楽をも見出しているのです
屍姦という異常な行動(その幻想)にもしかるべき意味があり、背景があるのだという例として紹介しました
この事件についてはブログで取り上げた数も増えましたので、直近のリンクだけ掲げておきます

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