勝間和代 論理的思考を育てる教育を求める

たびたび経済評論家勝間和代の発言を取り上げますが、相変わらずトンチンカンな発言をする人です
今度は毎日新聞のクロストークで学校教育は知識の詰め込みではなく、論理的思考を育むべきだと提言しています


その言わんとしているところは頷ける部分もあるのですが、例として挙げている歴史問題はかなりお粗末で、せっかくの提言も白けてしまいます
重要なのは「なぜ貴族政治がうまくいかなくなり、平氏政権そして源氏政権に移ったか」という詳細な背景説明です。そうすれば「現代において、どのような状況が起きれば、権交代が生まれやすいのか」などという論理を歴史から学べるわけです。ところが、残念ながら、私はそうした論理を授業で聞いた記憶があまりありません」


中学の授業ならば詳しくは触れないかもしれませんが、高校の日本史では源氏や平家という武士集団の成立過程や、地方の荘園を管理していた守護・地頭の台頭については、授業で説明しているのではないでしょうか?
自分自身、高校の授業内容については記憶がほとんどありませんが、当時読んでいた日本の歴史を記述した本にはマルクス主義の影響か、階級闘争的な視点から新旧勢力の争いという面で説明されていたような覚えがあります
この程度の「政治権力を巡る争い」を、論理的思考の欠如の問題とするのは首をかしげます
さらにクロストークの末尾では「論文やディベート」といった例を挙げていますが、勝間和代は三段論法とか演繹法とかを「論理的思考」だと思っているのでしょうか?
もちろん頭ごなしに否定するつもりはありませんが、やはり現象学や構造主義などの基本的な論理くらいは学校教育で教えるべきだろうと思います
現代哲学を語る上で、構造主義や精神分析は避けて通れません(もちろん、そう思わない人もいるわけですが)
ソシュールの革新的な言語学が西欧の形而上学に多大な変革をもたらし、フロイトの精神分析が人の心を巡る議論に大きな影響を与えてから数十年を経ているのですが、日本の学校教育にはソシュールの名は登場しません。フロイトに言及する機会もほとんどないでしょう
同じようにフッサールの現象学についても取り上げていません
40歳代、50歳代の大人とされる人たちの中にも、現象学やソシュールの言語学についてまったく理解してない人が多いのです。おそらく勝間和代のその1人でしょう
これらは現代哲学の基本です。これを知らずに「私の哲学は・・・」などと語るのは、あの小沢一郎みたいな軽薄な政治家と一緒です

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