豊川引き篭もり殺人を考える6 引き篭もりは精神病?

愛知県豊川市で起きた家族5人を殺傷した事件について6回目の言及です
殺人の容疑がかかっている長男に対し、精神鑑定が行われることになったと報じられています。責任能力の有無を判断した上で、起訴するかどうか決るという司法手続きです


一方で、5月20日付け産経新聞の記事で、「ひきこもりの多くが精神疾患であり、そのうち3分の1は薬物治療必要だ」と書かれています


厚生労働省の研究班が全国5カ所の精神保健福祉センターに相談が寄せられたケースを検討し、「医師の診断が確定した149件のうち、49件が統合失調症や不安障害、気分障害など薬物治療が必要とされる精神疾患だったことが判明。さらに48件が広汎性発達障害や精神遅滞と診断され、51件は専門家のカウンセリングなどが治療の中心となるパーソナリティ障害や適応障害などだった。残る1件は前記3分類にあてはまらなかった」との報告をしているそうです
記事の見出しに「精神疾患」とありますから、誤解を受けそうな感じがします
記事を鵜呑みにする読者は、広汎性発達障害や精神遅滞までも精神病の一種だと勘違いしてしまうではないでしょうか?
また、不安障害などに分類される症状も神経症の可能性があり、精神病の一種だと混同する危険があります(もちろんこうした症状に薬物療法は有効ですから記事に書かれているような表現、区分の仕方もあるわけですが)
乱暴な見方をすればこの記事は、「引き篭もりは病気だから入院させて治療させるべき」との意見に一定の根拠を与えるような言い回しになっています
全国に200万人ほどいるとされる引き篭もりの人たちを精神疾患と決めつける、そんな事態にはならないと思いますが、あちらこちらで誤解を生む可能性はあります
小難しい理屈は分からないと避けて通る人の中には、「引き篭もりは精神病」と聞かされ、それで納得してしまう人も多いのではないでしょうか
診断が下され、病名がつけられたとしても、それで引き篭もりが解決するわけではありません。投薬によってある種の症状は緩和ないし、治癒するかもしれませんが、それで引き篭もりが解決するわけではありません。症状が消えても、そのまま部屋に引き篭もり続ける可能性があるからです
「病気は治ったのだから外に出ろ。働け」と言われて従うのでしょうか?
引き篭もり問題への対処の難しさがここにあります

(関連記事)
豊川引き篭もり殺人を考える1 対処法の問題
豊川引き篭もり殺人を考える2 なぜ15年間放置されたか
豊川引き篭もり殺人を考える3 殺人事件はまれなケース
豊川引き篭もり殺人を考える4 殺人未遂のケースは多発?
豊川引き篭もり殺人を考える5 インターネット依存という誤解
豊川引き篭もり殺人を考える7 責任能力で論争
豊川引き篭もり殺人を考える8 懲役30年の判決
神戸5人殺傷事件を考える 逮捕後は黙秘
神戸5人殺傷事件を考える 2度連続の精神鑑定
鹿児島5人殺害事件を考える 岩倉知広容疑者とは
鹿児島5人殺害事件を考える 岩倉被告起訴も初公判はまだ
今も存在する戸塚ヨットスクール
突撃おばさん
突撃おばさん その2
元農水事務次官 ひきこもりの息子殺害で逮捕
元農水事務次官 息子のいじめと家庭内暴力
元農水事務次官 息子殺害で懲役8年求刑
元農水事務次官 息子殺害で懲役6年の実刑判決
宝塚ボーガン殺人 家族3人殺害


ぼくのニート道―ニート取扱説明書
新潮社
石原 まこちん

ユーザレビュー:
みんな反抗期。ほら。 ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る