秋葉原17人殺傷事件を考える2 加藤智大というイコン

平成20年6月8日東京・秋葉原で起きた無差別大量殺人について2度目の言及です
加藤智大という犯人がどのような人物かを考え、事件の意味を自分なりにとりまとめてみたいと思っていますが、結論めいたものにたどり着くのはまだ先のように思います
さて事件が起きた後、メディアで大きく報道されるとともにインターネットではさまざまな意見が飛び交いました
中には加藤智大を「神」と表現し、賛美する意見も出ました(どこまでが本気かは不明で、皮肉あるいは単に面白がって祭っているだけという感もありました)
こうした現象は加藤智大の思惑通りであり、自分が伝説として語られることを望んだわけですから肯定されようと否定されようと関係なく、彼はほくそえんだに違いありません
もっとも留置場にいた彼が、世間の反応をどこまで感じ取っていたかは分かりませんが
というわけで、当時の反響を知るため1つのブログを参考として取り上げます


加藤智大は格差社会の代弁者ではない


最初に断っておきますが、自分はこのブログで開陳されているブログ主の考えに賛同はきません。かなり偏ったモノの考え方だと思います
それは資本階級と労働者階級、持つ者と持たざる者といった二元論で議論を組み立てようとしているところに起因します。さらに加藤智大の行動の意味をどう位置付けるのかが不明確で、結論のように書かれている、「無差別殺人をやる前に社会運動をしろ、デモをしろ、小説を書け、演説をしろ、ブログを書け、精神科へ行け」という発言がひどく場違いに聞こえるためです
そのためかブログのコメント欄にはさまざまな批判が寄せられており、そちらを読むと世間一般がこの事件をどう受けとめたかが見えてくるように思います
赤木智弘のように「格差社会」を唱え、若者(非正規労働者)の犠牲の上に社会の繁栄が成り立っているのはおかしいとする怒りの主張はその通りなのでしょうが、しかし加藤智大の犯行がそうした主張の現われであるかは疑問です
結局のところ、加藤智大がどのような人間であり、どのような主張を抱いていたかは問わないまま「怒れる若者の代弁者」のように祭り上げられ、それぞれの主義主張を抱く人間が事件について勝手な発言を繰り返している、といったところでしょうか?
つまり加藤智大というイコン(象徴)に、銘々が勝手な意味を与えて語っているというわけです
また、加藤智大の犯行を「自己顕示欲」の発露と考える人が多いと分かりますが、自己顕示の方法としてなぜ無差別殺人という手段を選んだかを考える必要があります
目立ちたいだけなら他にもさまざまな表現方法があったわけで、加藤智大がより多くの人間を殺してやろうと望んだのはなぜか、を問わなければなりません

報道によれば秋葉原の歩行者天国が7月にも再開される見通しのようです

次回はもう少し加藤智大の内面に踏み込みたいと思います

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