同級生宅へ次々と放火した高校生逮捕

東京都府中市の都立高1年の男子生徒(16)が、好意を抱いた女子生徒3人の家へ次々と放火をした容疑で逮捕された、と報じられています


情報が少ないので何とも言えませんが、好意を寄せていた女子生徒3人(同級生)の家に火をつけるという行動がなんとも突飛であり、不気味にすら感じられます
放火は発見、対応が遅れれば家を燃やすだけでなく、人命を失う危険もあります。隣近所の家まで焼失させる惨事に発展する可能性もあります
そのため放火は重大な犯罪とみなされるわけで、軽微な悪戯扱いするのは間違いです
逮捕された少年にそうした認識があったかは疑問で、数軒の家が燃えて何人もの死傷者が出る惨事など思い描きもしなかったのではないかと推測されます
他にも「女子生徒の殺害を予告するような脅迫文をドアに挟んだりした」と記事にありますから、この少年の突飛な行動を解釈すれば、以下のような仮説が考えられます
家に放火されたり、脅迫文を送り付けられたりして女子生徒が不安に怯えているところへ少年が介入し、「そんな悪いやつはオレがやっつけてやるよ」と慰める。女子生徒は少年のたくましさに惚れる、というバカバカしいストーリーです
しかし、当の少年は本気でそう考え、実行したのではないかと思います
ですが3人の女子生徒に同時にちょっかいを出すというのは統制を欠いた行動で、ある種の人格障害なのかなという気もします(そうと断定する材料も情報もありませんが)
放火という行為は精神分析の対象として取り上げられ、さまざまな説明がなされてきたのですが、いまひとつよく分からない部分があります
自分が関わったケースに、一方的に好意を寄せていた女の子に冷たくされたのを逆恨みし、その家へ放火した中学生がいます
この場合フラれた腹いせで放火したと説明できるわけですが、本当にそうした説明で十分なのかは疑問です
この少年の生育歴はかなり特異であり、幼い頃から友達を作れず1人で遊んでいることが多かったとされます。ヘビやカエルを捕まえてきて、それを殺して遊んでいたというものです
さらにウソが多いのも特徴です
中学1年のとき、「夏休みは外国にいるおじさんのところへ遊びに行く」とウソをつき、同級生から「ウソついてんじゃねぞ」と揶揄されたため、衣料品店で衣類を万引きして補導されています。「外国で買ったおみやげ」として同級生に渡すつもりで衣類を万引きしたというものです。もちろん少年には外国で暮らしているおじさんなどいません
この他にも親や教師に対するウソ(どれも稚拙ですぐウソとバレるようなもの)が数多くあり、学校でも家庭でもウソつきと見なされていました
他人の気を惹くためにウソをつくという行動は一般人でもあるのですが、ウソをつけば信用を失うことも学習しますので、やたらウソをついたりはしなくなります
ですがこの少年はそうした学習ができなかったのか、ウソを重ねるようになってしまいました。おそらくは自分の思い通りにならない現実に対する不満、苛立から、ウソによって構成された幻想の世界を己の内奥に作り出し、思いつくまま勝手なストーリーを展開させていたのかもしれません。幼少時の孤独な日々を、そうやってウソの世界を作り出すことで紛らわせてきたのだと考えられます
しかし、幻想の世界ではウソがまかり通っても、現実世界ではそうはいきません。ウソを追及されると、言い逃れのためにウソをつくという悪循環に陥ります
結局のところ、彼にとってウソは手放すことの出来ない生活の一部であり、ウソ(幻想)を弄ぶしか世渡りの方法がなかったのかもしれません。だからこそ、「ウソをついてごめんなさい」とは言えなかったのでしょう。ウソをウソだと認めることは、彼が長年すがり、拠り所としてきた心の中のウソの世界を全否定する結果につながるからです
彼がもしウソの世界を手放し、現実世界の中に自分の居場所を見いだせたなら別な生き方もあったのでしょう
残念ながらこの少年との関わりは短くて、心の中にあるウソの世界がどのようなものであったのかは確かめられませんでした
日本の刑事司法制度の中では、「フラれた腹いせで火をつけた」という説明で十分であったのかもしれませんが、自分としては腑に落ちないままです
上記の府中市の事件で逮捕された高校生は場合はどうなのでしょうか?

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