宝塚女子中学生放火事件を考える4 2人の関係

宝塚市でブラジル国籍の女子中学生が放火、殺人で逮捕された事件について、4度目の言及になります
雑誌「AERA」がこの事件を記事として取り上げていますが、既に報道されている事柄ばかりで目新しい情報はありません


新聞記事の報道をまとめただけという内容であり、がっかりさせられます
記者は現地へ赴き取材したと思われますが、近所の人の「家族喧嘩の声が聞こえた」という証言くらいしか得られなかったようです
唯一の収穫は、日本語がうまくしゃべれないと一部の新聞では書かれていた女子中学生が、日常会話に支障のないくらい日本語が使えるという指摘です
来日してからの日本での生活期間を考えれば、彼女がそこそこ日本語を使えるはずと推測していましたが、なぜか一部の新聞では「日本語がしゃべれないため学校では孤立していた」と書いていました
それにしても義父であるブラジル人男性がどのような人物なのか、実母はどのような人物なのか、もう少し情報をつかめなかったのでしょうか?
近隣との交流がほとんどなかったという事情はあると思いますが
記事の中にある市議会関係者の「今回の事件もサインを見逃さないでいれば、また事態も変わっていたのではないか」という発言にもうんざりさせられます
事件を起こした女子中学生は虐待による被害を訴えていたわけで、その声を受け止めなかったところに問題があり、「サインを見逃した」などという軽微な失態ではないのです
そして記事のタイトルにある「女子2人の『閉じた関係』」についてですが、何ら具体的な事実はなく、こちらも既に報道されている内容をなぞっただけで踏み込み不足は否めません
ただし、2人の女子中学生の「閉じた関係」に事件の秘密があるわけではないので、このタイトルは思わせぶりにすぎます
女子中学生や女子高生が互いの悩みを語り合い、同情し合ううちに感情が先走り、飛び降り自殺を図るという事件が毎年発生しています。今回は自殺ではなく、親を殺すという選択をしただけであり、世間的には特異な事件ですが有り得ない話ではありません
自殺をするのも親を殺すものどちらも現実逃避であり、それだけ追い詰められ視野が狭くなってしまっていた証です。つまり「相手を殺すか、自分が死ぬか、どちらかしかない」という二者択一の思考しかできない状態に陥っていたと考えられます
現実的な対応としては一時保護して家庭から切り離し、家族と本人との間で調整を図る方法もありますし、養護施設で保護するとか里親に預けるという方法もあります
何がなんでも親子の和解を図るべきだ、という考えが福祉関係者の間には根強く、上辺だけの和解を親子に強要するケースもあり、失敗に終わることもしばしばです
「虐待の事実」を掘り下げると親子関係が修復不能なまでに傷ついてしまうので、「虐待」についてはなるべく触れるな、とあからさまに主張する福祉関係者もいるくらいです
そんな体裁を取り繕ったような和解が有効だとは到底思えませんが
「AERA」の取材は、関係者に話を聞いて回れば事件について何かしらの事実が浮かび上がってくるという常套的なもので、特に批判すべきではありません
しかし、周囲の人間の話をから何も浮かび上がってこないところにこうした事件の難しさがあると言えます。つまり周囲の人間は誰も彼女たちの悩みの深さ、切迫さを理解できていなかった、というところです

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