Newsweek誌の映画評「インセプション」

Newsweek誌が映画「インセプション」についての批評を載せています
長い文章ですが、興味のある方は読んでください


他人の潜在意識の中へ侵入し、その思考の一部を盗むというSF風のストーリーの斬新さを批評家は賞賛しているのですが・・・
映画「アバター」や「アリス・イン・ワンダーランド」を引き合いに出し、虚構と現実を行き来する映画が数多く登場した中でも、「インセプション」は特に優れていると評価しています
しかし、自分を含む日本の映画ファンにすれば何を今さら、という気がします
主演のレオナルド・ディカプリオはこの「インセプション」が、日本の劇場版アニメーション「攻殻機動隊」の影響を受けていると明言しています(ディカプリオは友人・知人に「AKIRA」や「攻殻機動隊」のDVDを押し付けて、「絶対に見たほうがいい」と言って布教して回るほどのオタクとして有名です)
人の意識に侵入したり、記憶を上書きする犯罪を取り上げた「攻殻機動隊」が映画化されたのは1995年です
しかし、Newsweek誌の批評ではその影響についてまったく言及していません。これだけで、この映画評は15点くらいです(書き直して再提出、というレベル)
もちろんこの映画評を認めないのは自分が押井守監督のファンで、「攻殻機動隊」好きだからというのが最大の理由ですが
当然の話として「攻殻機動隊」もアメリカのサイバーパンク小説の影響を受けています
ですが、この評論家はアメリカのサイバーパンクの歴史すら無視しています
ウィリアム・ギブスンが1986年に出版した短編集「クローム襲撃」がサイバーパンク小説の誕生とされます。もう20年以上も前に「インセプション」の基本的なアイディアは生まれているのです
「クローム襲撃」の中の短編「記憶屋ジョニイ」がその後、1995年にキアヌ・リーヴス主演で映画「MJ」として公開されました
ギブスンも日本マニアであり、彼の小説には日本のヤクザも登場します
調べてみたらハヤカワ文庫から出ていた「クローム襲撃」は絶版になっており、残念です古書店には出回っていると思いますが
こうしてサイバーパンク小説が日本の漫画やアニメーションに影響を与え、それがまたアメリカにも影響を与えるという相関関係が成立しているのです。この関係を無視した映画評など読む価値はありません

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