破壊が進む万里の長城

世界遺産として知られる中国の万里の長城ですが、破壊が進んでいるとAFP通信が記事にしています

2009年10月31日、中国青年報によると、内モンゴル自治区で「万里の長城」の破壊が進んでいる。地元の約90%の人が同自治区内の万里の長城の存在を知らないことも原因のひとつだという。
内モンゴル長城資源調査チームによると、今回深刻な破壊が見つかったのは、フフホト市北部にあり、全国文物保護施設に指定されている「秦漢長城」。秦漢長城は秦の始皇帝が修復したとされており、保存状態もよく、万里の長城の中でも最も古い部分の1つに数えられている。
破壊の原因は、ある企業の鉱物採掘によるもので、同市文物管理局はこの企業に対してすでに5回におよぶ採掘停止命令を出している。しかし、管理員が現場を離れると採掘をすぐに再開するなど、すでに50m近くが完全に破壊されており、状況は一向に改善されていない。
同自治区内で万里の長城が破壊されたのは今回だけにとどまらず、過去にも何度も発生している。1999年には道路建設のため2300年の歴史を誇る趙長城の一部が取り壊され、2006年にも道路建設のため約20mが破壊された。同じく06年にはマンション建設のため98mにわたって破壊されるなど、全国の各時代の万里の長城のうち約30%が存在する同自治区での保存・保護状態は極めて深刻な状況になっている。
内モンゴル長城文化研究センターの李永生(リー・ヨンション)主任は、その原因として「住民の保護意識の低さ」を挙げる。同センターが07年9月に行った住民1万人以上に対するアンケート調査によると、約90%の回答者が「同自治区内に万里の長城があることを知らない」と答えたという。また、存在を知っている人々の中にも「同自治区にある万里の長城は、壁の高さが低く、古くて壊れており、保護や利用価値が無い」と誤解している人が多く、李主任は「住民に対する告知不足が最大の問題」と指摘している。

記事にもあるように原因は観光客だけではありません。道路を建設するため長城を切り崩したり、地元の住民が家を建てるため長城の城壁の石やレンガを持ち去ったりする例もあります
全長およそ8800キロのうち、原形をとどめて言うのは550キロ分だとの話ですから、1割未満しか残っていない計算になります
このままなら特別に保存される数キロメートルの部分を残すだけで、あとは消滅してしまうのかもしれません
破壊し尽くされた後になってその価値に気づいても遅いのですが
中央政府が文化財保護を命じても、地方政府はそんな命令を無視して長城を破壊し、道路や住宅地を建設してしまうようです
中国では歴代の王朝がその広大な国土を支配するのに苦労し、地方の官吏の勝手な振る舞いを抑えられなかったのですが、現代においてもそれは変わらないのでしょう
もっとも、中国共産党自体が社会の旧弊を一掃すると称して、多くの文化財を破壊してきた話はこれまでにも書いたとおりです
全国にあった孔子廟を破壊したり、儒教関連の書籍を燃やしたのも中国共産党です
文化財破壊の張本人である中国共産党が、現在では文化財の保存を命令しているのですから皮肉な話です
外国に持ち出された文化財を「返還しろ」とも主張していますが、自分たちの手で破壊してしまった分はどうするつもりなのでしょうか?

中国共産党による民族文化の破壊

自分たちの文化財破壊は正しい革命行為だったと、知らぬ顔をするのかもしれません
万里の長城がこの共産党独裁の時代に徹底的に破壊され、消滅するのも中国の歴史の1ページだ、と言えます

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