司馬遼太郎の作品ベスト10

日刊スポーツが調査した、「好きな司馬遼太郎作品」アンケートが記事で紹介されています

【好きな司馬遼太郎作品】
順位/作品名
1位 坂の上の雲
2位 竜馬がゆく
3位 燃えよ剣
4位 峠
5位 国盗り物語
6位 関ケ原
7位 世に棲む日日
8位 花神
9位 菜の花の沖
10位 播磨灘物語

好きな司馬遼太郎作品1位は「坂の上の雲」


時節柄、ドラマになっている「坂の上の雲」が1位で、「竜馬がゆく」が2位というのは世間の嗜好が反映されているのだろうと思います
いわゆる幕末ものが半分を占めます
自分の好きな司馬遼太郎の作品については先日、書きました。

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「花神」と「箱根の坂」です。付け加えるなら、「坂の上の雲」と「空海の風景」を挙げます
「空海の風景」を小説と呼ぶかは大いに疑問があるところで、空海を巡るエッセイと呼んだ方が適切かもしれません。しかし、とかく弘法大師として誇張された英雄伝説がまかり通る空海を、世に出ようと呻吟し悩む若者として描いた前半部分は読み応えがあります
後半部分は筆が鈍ったかのように空海の人物像がぼやけてしまっており、残念な出来なのですが
奈良時代から平安時代にかけて、仏教がいかなる形で日本に存在し、人々と関わっていたかを知る上でも参考になります
小説としての体裁には問題がありますが、弘法大師伝説とは別の仏教者空海を描いた点でもっと評価されてよい作品だと思います
史実を起点に、既存のイメージや伝承を打破し、その人物の本質に迫ろうとするのが司馬遼太郎の歴史小説の面白さです
多くの歴史小説は英雄豪傑伝であり、史実よりも話の面白さを優先します。描かれる人物像は大衆の求めるヒーローに近くなります
もちろん司馬遼太郎の小説にもそうした傾向が皆無ではありませんが、「坂の上の雲」では軍神扱いされていた乃木希典が愚直な将軍として描かれ、乃木将軍伝説をまっこうから否定しています
その一方で、秋山兄弟を新たな英雄として描いているのですから、この点でも評価は難しくなります。英雄豪傑伝を否定しながら、新たなヒーローを提供しているという矛盾があります(それも承知の上で読んでも、十分に楽しめる作品が多いのですが)

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