市川海老蔵 内なるコンプレックスとの闘い

市川海老蔵が謝罪のための会見を行ったのですが、「素直に謝罪したのだからよいのではないか」と肯定的に受け止める人もいれば、「疑惑には何も答えていない」といぶかる人もいて、評価はまちまちなようです
謝罪会見ではテレビの芸能レポーターが最前列に座り、事件の本質と関係の無い「麻央さんとの絆は深まりましたか?」など毒にも薬にもならない質問を連発し、他の記者から批判の声も挙がったと書いているメディアもあります
事件の核心に触れるような質問はしないよう、テレビの芸能レポーターには根回しがされていたのかもしれません(もちろん捜査中の事件でしから、すべてを明かすわけにはいかないのでしょうが)
そのあたりは松竹がきちんと手を回し、生中継の記者会見でボロが出ないよう質問を制限するよう「協力を求めた」のが実態なのだと思います
しかし、市川海老蔵を殴ったとされる人物が姿を現さない限り、事態は進展しません
インターネットの掲示板「2ちゃんねる」ではこの人物の名前や素性も暴露されています
が、そちらをとやかく言うのは本題ではないので割愛します
一番気になるのは歌舞伎役者市川海老蔵の今後、でしょう
舞台復帰は早くて半年先、との記事も出ています

「無期限」謹慎の海老蔵 復帰はどんなに早くても半年後

前にも書きましたが、中村勘九郎の息子、中村七之助が飲酒酩酊の上にタクシー運転手とトラブルになり警察官を殴った事件で、父親である勘九郎は息子を謹慎させました
そして、「舞台の上で(反省の)口上を述べさせるのが役者としてのけじめ」だと主張して、中村勘九郎襲名披露興行の場で七之助が「お詫びの口上」を述べました
繰り返し書いていますが、歌舞伎役者の口上は演技の一部であり見世物です
脚本を読んで台詞を練習するように歌舞伎役者は口上の稽古を積んでいますから、舞台の上で立派な口上を披露するのも芸の一部なのです
もちろん観客もそれを承知の上で高い観劇料を支払い、それを見物しに来るわけです
「いやあ、なかなか大したもんだったねえ」
「あの若さで立派だったねえ。あそこまでは言えるもんじゃないよ」などと、役者の口上を語り草にするのも歌舞伎ファンの楽しみです
中村勘九郎はそれを承知で、襲名飛行興行の出し物として息子中村七之助の「お詫びの口上」を実現させたと言ってもよいでしょう
それをあざといと批判するつもりはありません。息子の謝罪を見世物の1つにするという発想は世間一般の感覚からすれば異常ですが、歌舞伎の世界で生まれ育った中村勘九郎にはそうした発想しかできなかったと考えられるからです
このように歌舞伎の世界と、世間一般の感覚との間には大きなギャップがあるように思えてます
それが市川海老蔵をして「オレは人間国宝だ」という発言に現れ、自分は特別な人間であるかのような言動が常態化したのでしょうか?
歌舞伎界の厳しい上下関係で人間性が養われるどころか、かえって「自分は特別」とする驕慢さが身についてしまったかのようです
ただ、それは最近の彼の姿から言えるだけで、結果論のようなものでしょう
おそらく幼い頃は歌舞伎の稽古で叱られ続け、音を上げても稽古を強いられ、逃げ場もない環境だったと推測します。さらには、「歌舞伎の名門市川家の跡取りがだらしない」と批判され、毎日いじめられているにも等しい生活を送っていたのかもしれません
そうした劣等感に苛まれる日々が変わったのは、体も大きくなり舞台で一定の評価を受けるようになってからでしょう
自分の内なるコンプレックスを克服するため、酒を飲み女性をくどき、歌舞伎界のプリンスとして奔放に振る舞うようになったとも考えられます。自分は特別な存在だと振る舞い続けることで、自分の抱える劣等感を補償しようとする行動です
トレーニングに励んで肉体を鍛えあげるのも、卑小な存在である自己のイメージを克服したいからに他なりません
つまり市川海老蔵の驕慢な行動は、彼が抱え込んだコンプレックスの根深さの裏返しだと推測できます
市川海老蔵が成長するために必要なのはスポーツクラブで肉体を鍛えあげることではありませんし、山篭りして反省の日々を過ごすことでもありません
自分の内なるコンプレックスと向き合い、無力で卑小な存在であった幼い日の自分を許し、当時の辛さや悔しさ、怒り、悲しみを肯定することでしょう

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