取手バス襲撃事件 無差別に乗客を襲う

今朝7時過ぎ、茨城県のJR取手駅前で若い男が刃物で次々とバスの乗客を刺す事件が発生しました


17日午前7時40分ごろ、茨城県取手市のJR取手駅前でバスの中にいた江戸川学園取手中・高校の生徒らが刺された。茨城県警によると、計13人がけがをし病院に運ばれた。被害者は高校生7人、中学生4人、それに一般の女性が2人。県警によると、被害者のうち女性1人が重傷。
取手市の消防によると、けが人のうち、刺されたのは4人。残りは逃げる際の打撲などとみられる。多くが軽傷という。
県警によると、切りつけたのは住所不定、無職の斎藤勇太容疑者(27)で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。調べに対し「やりました」と容疑を認めているという。
バスを運行している関東鉄道(本社・茨城県土浦市)によると、午前7時43分ごろ、斎藤容疑者とみられる男が、高校生約50人が乗った同社の路線バスに乱入し、車内で刃物を振り回した。
高校生らと男がもみ合いになる中、男性乗務員(42)はクラクションを鳴らしたり、近くにいたタクシー運転手に助けを求めるなどした。その後、男は近くに止まっていた別の路線バスに乗り込み、乗客の女性に切り付けたという。
2台目のバスの男性乗務員(44)が客ら数人と一緒に男を取り押さえ、刃物を奪ったという。
江戸川学園取手中・高校によると、負傷したのは主に同校生徒という。バスは学校に向かう生徒たちでほぼ満杯の状態。中央の入り口に立っていたオールバックの男が発車の合図とともに、生徒たちにナイフで切りつけ、悲鳴が上がった。頭や腕を切られたという。
同園は取手中、取手高とも17日午前中に生徒たちを下校させ、臨時休校にすることを決めた。
(共同通信の記事から引用)


続報の記事の中で、殺人未遂の現行犯で逮捕された自称・住所不定、無職、斎藤勇太容疑者(27)は「自分の人生を終わりにしたかった。不特定の人を包丁で傷つけたのは間違いない」と供述しているそうです
当ブログで度々引用している片田珠美の「無差別殺人の精神分析」 (新潮選書)では、今回のような無差別殺人を拡大自殺と表現しています
自分だけ不幸のまま1人死ぬのは御免だから、大勢を巻き添えにして死んでやろうと意図した行動であり、最後は自殺するか、死に切れなければ死刑になっても構わないとの思いが犯人にあります
「自分だけが不幸」だとする勝手な不遇感と、社会に対する不満が織り交ざり、幸せそうな奴らを巻き添えにしてやれと、逆恨みしているわけです
過去の類似した事件(秋葉原の歩行者天国にトラックで突っ込んだ加藤智大の事件や、土浦市の荒川沖駅で8人を殺傷した金川真大の事件)が影響を与えている可能性が考えられます
もちろん、逮捕された斎藤雄太容疑者がこれまで歩んできた人生の中で体験した挫折やトラブルが引き金になっているのは当然ですが
被害者の多くは江戸川学園の高校生であり、学校関係者は責任を感じると発言していますが、刃物を振り回す男がバスに乗り込んでくる事態を高校が想定できるはずもなく、防ぎようがなかったと言うほかありません
今後事件の詳細が明らかになるのでしょうから、報道を追いかけながら取り上げていくつもりです
上記の秋葉原歩行者天国襲撃事件の加藤智大については、当初、派遣切りの悲劇が招いた事件であり、加藤智大1人の責任ではないとする屈折した意見を開陳する有識者やジャーナリストが相次ぎました。しかし、事件は派遣切りが1つの要因ではあったものの、その責任の大部分は加藤智大の歪んだ人生観や他罰的な思考によるものだと公判で明らかになっています
今度も事件の一部分だけを見て、「格差社会が生んだ悲劇的犯罪」などと断言する有識者が再び登場するのかもしれません

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貧困の現場
毎日新聞社
東海林 智

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