秋葉原17人殺傷事件を考える13 中身のない最終陳述

秋葉原の歩行者天国を襲撃し、17人を殺傷した加藤智大被告の裁判が結審を迎え、被告人の最終陳述が行われました
中身のない、空疎な謝罪の言葉が口にされただけのようです
事件を起こした理由、動機が最終陳述の場で明かされるかもしれないと期待していた方もいたのでしょうが、加藤智大被告は新たな事実を口にすることもなく、「今現在、事件を起こすべきではなかったと後悔し、反省しております」と述べただけでした
前回、当ブログで述べたように加藤被告の犯行は母親への復讐なのでしょう。凶悪な事件を起こすことによって母親を貶め、苦しめ、過去の仕打ちに対する報復を図るものです
ただ、加藤被告はそれを正面からは認めず、「掲示板を荒らされたから」との口実に終始していました
そして加藤被告は目撃者や被害者の供述調書に同意しなかったため、多くの人々が証言に立つことになったのですが、加藤被告が呼びたかった証人は母親ただ1人なのだ、との解釈も前回書いたとおりです
母親への憎悪に深さは、同時に母親に自分が愛されていたのかどうか確認したいとの思いと表裏を成しているように感じます
加藤被告は法廷に立たされた母親が過去の仕打ちを謝罪する姿を期待したのでしょう
しかし、母親は出廷せず、証言台には立ちませんでした
この時点で加藤被告にとり、裁判は無駄な時間と化してしまったのでしょう
加藤被告の母親にしても言いたいことは山ほどあると思いますが、息子と法廷で向き合う覚悟もなく、むしろ拒絶しているかのように感じます
この母親がどのような人生を歩んできたのか詳細は不明ですが、高校では成績優秀ながらも大学進学はかなわなかったようです(家庭の事情でしょうか)
それゆえ息子には大いに期待をし、厳しく教育したのですが、その度を越したやり方が加藤被告に深い傷を負わせる結果となりました
加藤被告は自分が母親から憎まれているとさえ思ったでしょう
結局、加藤被告が母親を憎んでいるように、母親も自分の期待通りの生き方をしなかった加藤被告を憎み、拒絶しているのかもしれません
「裁判で世間を怒らせるような発言はせず、さっさと死んでくれた方がよい」とまで思っているかどうかは分かりませんが、いまさら裁判所の法廷で証言台に立ち、息子と向き合う気持ちになれなかったのは事実です
この母と息子の折り合いの悪さが、17人もの人を殺傷する凶悪な事件を招いたというのは何とも言えない、虚しい気持ちがします
もちろん、母と息子が和解するのを期待する気にもなれません
とはいえ、加藤被告の両親が息子の起こした事件に親として責任を感じているのは事実ですから、判決直後に両親が自殺しないよう近親者の方は十分注意を払ってもらいたいところです

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