石原東京都知事「変態を描くなとは言ってない」発言

先日、週刊ポスト2011年2月25日号掲載の記事で、石原慎太郎東京都知事の発言、「同性愛の男が化粧品のCMに出演するなどキリスト教社会でもイスラム教社会でもありえない」との主張を取り上げました
ウェッブサイトにはそうした発言が掲載されていたのですが、今日になってその発言の続きが同じウェッブサイトに掲載されました

マンガ条例 変態的なものでも描くなとはいわぬと石原都知事

同じテーマに関する石原東京都知事の発言をわざわざ二分割して掲載する意図は不明ですが、出版社の思惑を問うのが目的ではありませんので、ウェッブ管理者の意図の詮索は置いておきます
さて、石原都知事は記事の中で「私はここで規制される近親相姦や変態的なものであっても、描くなとはいっていない。ただ、子供の目に触れないところに置けといっているだけだ」と主張します
しかし、これは東京都の条例と矛盾します
東京都の条例は販売を禁止するものであり、「描くなとは言っていないが、販売は禁止」なのです
要するに「ポルノだから販売禁止」だという高圧的な姿勢がそこにあります
そうやってマンガを排除し、規制すればモラルの高い社会が実現するのでしょうか?
人間がエロスを求め、エロスに魅了され、エロスに翻弄される生き物であることに変わりなく、小説や漫画を規制したところでその根本は変わりません
そして現実は以下のようになっています

「非出会い系」被害の子供、GREEが突出

携帯ゲームで有名なサイト「GREE」は、昨年1年間で実に378人ものこどもが性的暴行の被害に遭うきっかけを作ったと報道されています
東京都は漫画やアニメーションを規制する前に、直接的な性犯罪被害者を生み出している「GREE」をこそ規制すべきでしょう。その方が犯罪予防効果が確実に得られるはずです
一部の経済雑誌は相変わらず「GREE」の経営者を、「凄腕の経営者」と絶賛する記事を書いたりしますが、儲かる商売の陰で378人ものこどもが性的暴行の被害に遭っている現実には触れようとしません
老いて柔軟な思考の困難になった石原都知事には、こうした現実が理解出来ないのかもしれません。問題の所在がどこにあるか検討し、検証するだけの能力はない頑固な1人の老人なのでしょう
あとは東京都庁の官僚が何を規制の対象とするか、何がポルノか勝手に判断するだけです。規制の対象が具体的に定められず、基準もないまま、官僚の裁量にすべて委ねられるという恐ろしい条例が今年から施行されます
話があちこちに逸脱してしまい恐縮ですが、性犯罪を防止する試みに反対を唱えるつもりはありません。過激な性表現を含む漫画やアニメーションの販売方法を規制する必要も理解できます
しかし、漫画やアニメーションが直接性犯罪を引き起こしているのではありませんし、
より直接的な性犯罪の温床である出会い系サイトの規制が不十分なままで、漫画やアニメーションだけを目の敵にする東京都のやり方は間違いです
そして、そのような東京都のやり方には石原東京都知事の発言にも見られるある同性愛への根強い偏見、敵意があるのも問題です
かつてナチス・ドイツはユダヤ人を絶滅収容所に送り込み、ガス室で殺戮したのですが、ユダヤ人だけでなく精神障害者や知的障害者、同性愛者をも収容所に送り込んで殺害しています
石原都知事の同性愛者に対する偏見は、このナチス・ドイツの狂気に似ているように思えてなりません

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