日本アニメに「だまされた」 中国のアニメーターは就職難

1月29日付けの記事でサーチナが、「日本のアニメーションに影響を受け、アニメー

ターを目指していた中国の学生たちは就職難に直面し、困惑している」との記事を

紹介しています

元の記事は中国網日本語版(チャイナネット)が昨年7月に報じたものですから、半

年遅れの話題をなぜ、いまになって取り上げるのか不思議です

日本アニメに「だまされた」アニメ専攻の卒業生
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2010-07/28/content_20587861.htm

この記事の背景を考えるところから始めなければなりません

2008年から2009年頃には、「中国や韓国はアニメーション作りのため、国が人

材育成に力を注いでいる。それに比べて日本は遅れている」との主張が目につきま

した

確かに中国ではアニメーション関係の人材を育成する教育機関が雨後の筍のように

創立され、日本から講師として出向いた人もいたようです

中国、アニメーション・漫画収益が映画を超える
http://jp.eastday.com/node2/node3/node16/userobject1ai9200.html

上記の記事は2004年のものですが、「国内大学100数校にアニメーション学部を

設け」とあり、当時はそれでも人材が足りないと表現されています

その後さらに教育機関が拡充された結果、最初の記事によればこれらの教育機関

から輩出する人材が35万人に達するそうです。これはいくらなんでも過剰でしょう

中国ではアニメーションを製作する企業が300社ほど乱立しているそうですが、それ

でも卒業した学生を全部吸収するのは困難です

そして上記の記事にあるように多くの学生は、「四年間でアイデア創出、シナリオ制

作、演出などの養成教育を受け、高度の創作型の人材」として育成されてきた人ば

かりですからプライドも高く、下請けのアニメーターのような地道な仕事に就きたがら

ないのでしょう

つまり、宮崎駿のようにアニメーション作りを仕切る人材として育てられた学生であり、

本人たちもその気になっていたわけです

もちろん卒業制作で5分から10分の短編アニメーションを手がけた程度であり、現場

で使い物になるレベルではないのですが

宮崎駿は出来上がってきた下絵が気に入らなければ自分で描き直すくらいの画力を

もったアニメーターですが、これら中国の学生にそのような画力は期待できません

おそらく脚本を書かせても、絵コンテを切らせても、日本のアニメーション制作会社で

は「なにこれ?」と言われる程度の仕事しかできないと思われます

とても高度の創作型人材と呼べる水準ではなく、オリジナルの脚本すら書けないので

はないでしょうか?

どこかで見たような、日本アニメーションのパクリが出来上がってくる気がします

さらに現状では中国のアニメーションは製作本数が多いものの、収益が確保できずに

苦しんでいます。テレビ局から安い制作料で仕事を請け負い、納品したらそれでおしま

いであり、お金が入ってきません

アニメーション制作会社がバタバタと潰れ、淘汰されるのも時間の問題でしょう

2004年の記事の中で、「広東のアニメーション『神探威威猫』は第1部分の60回が

全国の138のテレビ局で放送されている」とあり、成功例として紹介されています

Youtubeで検索しましたが動画が見当たらないので、中国の動画サイトを紹介しておき

ます

神探威威猫2 飞天神舟
http://xiyou.cntv.cn/v-d7abcce6-f385-11df-8901-001e0bbb2430.html

「これが人気の中国アニメだ」と言われても、日本のアニメーションファンは苦笑するし

かないでしょう。「へえ、こんなの作っているんだ…」と思うだけで、繰り返し鑑賞しよう

という気にはなれません

「幼児向けのアニメーションだからこの程度でよいのだろう」との考えで作っているのが

露骨な気がします

前にも書きましたが、「中国には人材がそろっている。あとは業界を牽引するリーダー、

(宮崎駿のような)スターが登場すれば」などと中国のアニメーション業界関係者は考え

ているようですが、大きな間違いでしょう

いかに最新のコンピューター・グラフィックスを使用しようとも、魅力のないキャラクターに

よるグダグダのストーリーで、底の浅い人物表現しかできず、世界観も未熟で、背景描

写は手抜きで、声優の質も低い現状ではとても質の高いアニメーションが作れるとは思

えません

先週末、有料動画配信サイトで日本のアニメーション「化物語」を見たのですが、中国の

アニメーション業界関係者は「化物語」と中国アニメーションを比較して、何を思い、何を

考えるのでしょうか?

日本のアニメーションはすでにその文体、表現手法が確立した感がありますが、「化物

語」はさらにその先の可能性を模索しようと、さまざまな表現方法を試みています。成功

しているかどうか評価が分かれるところですが、こうしたアニメーションの可能性を貪欲

なまでに追求する姿勢が中国のアニメーションにあるのでしょうか?

「1人のスターが登場すれば」などという虚しい希望にすがりついている限り、中国のア

ニメーションは決して日本に追いつけないと言えます

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