「マンガ大賞2011」は羽海野チカ「3月のライオン」

書店の店員らの投票で選ばれる「マンガ大賞2011」が、羽海野チカ作「3月のライオン」に決まったと報道されています

マンガ大賞 :「3月のライオン」が大賞 「ハチクロ」羽海野さんの最新作

「ハチミツとクローバー」でその地位を確固たるものにした羽海野チカが、将棋を題材にしたマンガを描くと聞いたときは目が点になってしまったものです。しかし、その構想力と画力でしっかりと物語を構築し、また独自の世界を切り拓いてしまったのですから驚くばかりです
「ハチクロ」の路線で、若い男女のラブストーリーを扱ったマンガを描き続けても十分に売れっ子マンガ家の地位を守っていけたと思うのですが、あえて将棋の世界に題材を求め、未知の領域を描こうとした意欲には敬服するばかりです
まだマンガは5巻までで、物語は始まったばかりです。この先の展開が見えない現時点で、「マンガ大賞」に選ぶだけの理由があるのかどうかは分かりませんが、読者の期待度の高さがそうさせたと考えるべきでしょうか?
自分は「3月のライオン」というタイトルから、矢崎仁司監督の映画「三月のライオン」をいつも連想してしまいます。マイナーな映画なので、ご存じの方はほとんどいないと思いますが
兄と妹の近親相姦を描いた恋愛ドラマで、一部には熱心がファンがいて繰り返し語られる作品でもあります。自分もミニ・シアターで見たのですが、妙に頭の片隅に残っている映画の1つであり、ビデオも購入して繰り返し見ました
奇しくも、「3月のライオン」で検索をかけているとき、羽海野チカ「3月のライオン」と矢崎仁司「三月のライオン」の双方に言及しているウェッブサイトを見つけました

「3月のライオン」第1巻 橋を渡る

マンガの登場人物で、主人公のライバルとされる二海堂に言及しており、ネタバレしているのですが…
二海堂のモデルであるプロ棋士村山聖は腎臓の病を抱えながらも自分の将棋を探求し続け、若くして亡くなった天才です
村山聖の師匠であった森信雄は弟子の病気とつきあい、弟子のパンツを洗い、弟子のために書店を回って少女マンガを買い、「それが師匠のやることか」との揶揄にも超然としていました。森信雄は何より人の世話を焼くのを生きがいとしている、変わり種の棋士だったからです
そんな将棋界の人間模様が、この先どのようなドラマとなって「3月のライオン」の中で展開されるのか楽しみです
映画監督の押井守は、「映画は見られることで映画たり得るのではなく、繰り返し語られることで映画足りえるのだ」と指摘しています
羽海野チカの「3月のライオン」も読まれることでマンガたり得るのではなく、繰り返し語られることでマンガとなるのだろうと思います
「3月のライオン」は日本のマンガが描く世界がこうまで奥深く、彩りに溢れたものであることを誇りとして感じられる作品です
将棋の世界は分からないから、という方に無理強いはしませが、一読の価値がある作品だと自分は思います

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