製作費40億円でコケたフランスのCGアニメ「ケイナ」

2004年頃だったと記憶していますが、映画館で上映される予告の中にフランスの劇場版CGアニメ「ケイナ」というのがありました
いったいどのような作品だったのかと思い、調べてみました
2003年にフランス・カナダ合作映画として、製作費に40億円を注ぎ込んで作られた作品だそうです


遙か宇宙の彼方。惑星アストリアは、豊富な樹液が生命の源となって人々の生活を支えていた。だがある日、この星に一隻の宇宙探査船が墜落する。そして、宇宙船はアストリアの生態系に影響を与え、巨大な樹木群“アクシス”が誕生。アクシスは樹液を吸収しながら徐々に成長していく。
600年後、アクシスはなおも樹液をエネルギー源としてひたすら巨大化を続けていた。
人々は樹液の枯渇に苦しみながらも、その原因に気づくことなく神にすがりつくだけで細々と暮らしていた。
好奇心旺盛なケイナは、「アクシス」に暮らす少女。毎日の生活に疑問を抱いていた
ケイナはある日、不思議な夢を見た。それは青く輝く不思議な「太陽」の夢・・・。
ケイナは夢に導かれるように、長老に内緒で「禁断の地」へと出かけるが・・・。



映画のレビューを紹介するウェッブサイトには以下のコメントが並んでいます

「ナウシカ」の臭いが強かった。押井氏が「色彩」を誉めていたが、他に誉める部分が無かったのかも。

ヨーロッパ初のフルCGアニメーションということで、セピア調の色彩をメインにした映像でオリジナリティを出している。

珍しいヨーロッパアニメ。ゲームっぽい肉厚ぶりの顔でちょっと僕は引いちゃった。色も、ほとんどセピア色でちょっぴり欲求不満。異文化を見たようなアニメであった。

見えにくい画とわかりづらい話と見た目がキモいキャラクターたちに前半苦戦。中盤ようやく世界が見えてきたところで、もはや行きつくところに行くしかないような展開にこれまた苦戦。

30分見たが耐えられなかった。やりたかった気持ちは分かるが、『アップルシード』と同じ穴に落ちてるな。


確かに力作なのでしょうが、画面がセピア色ばかりなので見にくいな、というのが自分の第一印象です
製作者はそうしたセピア色に覆われた世界での物語なのだ、と言いたかったのでしょう。閉塞された世界、因習に囚われた世界の物語なのだ、と
コンピューターグラフィックによって驚くような映像を見せてやろうという意気込みは分かりますが、ともかく感情移入できない物語です
ケイナの奮闘は伝わってくものの、ナウシカのように感情移入はできません
劇場版「風の谷のナウシカ」は正直言って失敗作だと思いますが(コミック版「風の谷のナウシカ」があまりに素晴らしい出来なので)、それでもたった1人で世界を救おうとするナウシカの苦悩、勇気、他者を慈しむ心は伝わってきます
ケイナの冒険にはそのような魂の慟哭は感じられず、ただ成り行きまかせで展開していくうちに「世界のカラクリ」を覗き見てしまうというだけに思えます
やはり脚本の弱さでしょう
この物語で何を提示したいのか、詰め切れていないのでは?
フランス本国での興行結果ですが、初登場が11位で翌週は18位まで落ち、3週目には20位以下の圏外になっていたそうです。これでは40億円の製作費回収は無理だったのでしょう
この作品はこどもから大人まで楽しめる良質のエンターティメント作品を目指したのでしょうが、こどもには物語が難解すぎたのかもしれませんし、大人にはグラフィックが馴染めず陳腐な世界に映ったのかもしれません

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