16歳長女監禁死事件を考える2 しつけという弁明

岡山市で母親が16歳の長女を縛って浴室に監禁し、死亡させた事件について2度目の言及になります
母親は殺害の容疑を否認しており、無罪を主張するつもりだと報道されています


岡山市で知的障害などのある長女(16)が自宅浴室に監禁され死亡した事件で、逮捕監禁致死容疑で逮捕された母親の無職清原陽子容疑者(37)が、「娘が期待するように育ってくれない」と、長女の通っていた高等支援学校の関係者に話していたことがわかった。清原容疑者は長女と2人暮らしで、県警は、長女の成長に悩むなかで、孤立を深めて虐待を繰り返していた可能性があるとみて調べている。
市こども総合相談所や親族らによると、清原容疑者は夫と別居。幼児だった長女麗さんの発育の遅れが不安になり、「どのような保育園に入園させればよいか」と児童相談所に問い合わせ、その後も定期的に発育について相談するなどしていたという。
清原容疑者は約3年半前から、現在の自宅に住んでいた。麗さんは昨年3月、市立中学の支援学級を卒業した後、県立岡山瀬戸高等支援学校に通っていた。県警によると、麗さんは知的障害と発達障害と診断を受けていた。この間、児童相談所には中学や支援学校側から計4件、顔などに虐待の疑いがある「あざ」などがあったと報告があった。児童相談所は清原容疑者と連絡を取ろうとしたが、連絡がつかなかったり、拒否されたりしたという。
高等支援学校によると、麗さんには中学時代、友人との間での問題行動があり、清原容疑者も、他の保護者や教員らとの関係でつらい思いをし、心を閉ざし気味だった。その後、清原容疑者は教員らと面談や電話で相談を繰り返すうち、少しずつ話をするようになった。「思うように成長しない」。清原容疑者は教員らに思いを吐露し始めていたという。
今年2月中旬、学校側が、発達障害などの専門医である学校医との面談を打診すると、清原容疑者も乗り気になり、同月28日の事件直前には、学校医に連絡を取ろうと電話をかけていた。学校関係者は「障害のある子どもは生きづらさを持っている。(清原容疑者と)連携し、成長するのを願っていたが残念だ」と話していた。
泣き声、大きな物音
捜査関係者によると、清原容疑者は事件当時、110番で駆けつけた岡山西署員に「以前にも風呂場に立たせたことがある」と話していた。近隣住民によると、自宅からは、叱る大きな声や、麗さんの泣き声が度々聞かれ、約1年前からは大きな物音が加わるようになったという。
県警は、清原容疑者が、麗さんが高等支援学校進学後、体罰をエスカレートさせた可能性があるとみて、動機などを追及する。
(読売新聞の記事から引用)


記事の中の母親の言い分は、「手足を縛るのは違法な行為ではなかった」、「死なせるつもりはなかった」、「いい子に育てるためにしつけていた」というものです
数多くの虐待事件が報道されていますが、加害者の主張の多くは「しつけのためにやった」というものです
しかし、今回の事件では「しつけ」などと呼べる行為ではありません
裸にして縛り、浴室に監禁したのですから体調が急変し、危険な状態に陥る可能性は十分予想されるわけですが、母親は長女の様子を確認することもなく放置していました。「死んでも構わない」という思いがあったかどうかは分かりませんが、長女にとことん思い知らせやろうというどす黒い加虐の意図がありありです
「死なせるつもりはなかった」と主張するのなら、なぜ長女の様子を確認しなかったのでしょうか?
寒い浴室に裸のまま監禁しておいて、「死なせるつもりはなかった」と言い張るのは常軌を逸しています
加えて、「手足を縛るのは違法な行為ではない」との主張は誤りです。手足をきつく縛れた血流が妨げられますし、場合によっては死亡するケースもあります。手足を縛る行為は暴行と見なされるのです
さらに、長女の体には痣があったと学校関係者が確認しており、継続的に母親が暴行を繰り返していたと考えられます
常習的な虐待が行われていたと判断して間違いないでしょう
問題はこの母親が嘘をついて、自分の虐待の事実をごまかそうとしているのか、あるいは虐待の事実を認識できない何らかの歪みを抱えているのか、はたまたもっと別の原因を抱えているのか、というところにあります
判断するには母親がどのような人物であったのか、彼女の成育史や、長女を生んだ経緯、最近生活振りなど多くの材料が必要であり、「長女の死」という結果だけから決めつけるのは誤りでしょう
この母親自身が親から虐待を受けて育ってきたのかもしれません。あるいは結婚して長女を産んだのか、未婚の母なのか、生活保護を受けていたと思われますが暮らしぶりがどうであったのか、考える必要があります
家の中が乱雑でゴミ屋敷同然であれば、精神的に荒廃していた可能性もあります
あえて憶測すれば、発達障害のある長女を母親1人で育てていたため、母親が何もかも抱え込んでしまい、自分がすべてをコントロールしなければならないいう強迫的な観念に囚われてしまったのかもしれません
自分がコントロールできない事態(娘の反抗、嘘)が許せず、その度に虐待を加えてたと想像されます
学校側は虐待の事実を把握していながら、この母親の抱える問題は見過ごしてしまったようですし、児童相談所は「緊急性を要するケースだとは思わなかった」と述べています
裁判の前には精神鑑定も行われるのでしょう。今後の展開を見守りたいと思います
追記:清原陽子被告には懲役3年6月の判決が言い渡されています

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