ロス疑惑報道で損害賠償命令 冤罪なのか?

昭和60年代に世間を大いに騒がせたロス疑惑報道で、当時の写真をウェッブサイトに掲載した産経新聞社とヤフーに計66万円の損害賠償を支払うよう命じる判決を東京地方裁判所が下しました


米ロサンゼルス銃撃事件で逮捕され、ロス移送後に自殺した三浦和義元会社社長(当時61)=日本では銃撃事件の無罪確定=の遺族が、ネット記事で過去の逮捕・連行時の写真を掲載され精神的苦痛を受けたとして、ヤフーと配信元の産経新聞社に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁の松並重雄裁判長は15日、両社に66万円の支払いを命じた。
問題となったのは、2008年10月に三浦元社長が死亡した際のヤフーのニュース記事。1985年9月に三浦元社長が警視庁前でパトカーから降ろされた手錠姿の写真を、産経新聞から配信を受けて掲載した。遺族側は「無念の死を遂げた元社長を辱めるものだ」などと主張していた。
松並裁判長は「遺族は20年以上も前の手錠姿の写真を公表されることを望まないと考えられ、記事内容に照らしても85年当時の手錠姿を掲載するまでの必要性は認められない」と指摘。元社長に対する遺族感情を侵害すると認定した。
ヤフーは「配信記事が第三者の権利を侵害しない旨、産経側が保証していた」と主張したが、松並裁判長は「ヤフーは人の人格的利益を侵害する写真が載らないよう注意し、掲載された場合は速やかに削除する義務を負う」として退けた。
ヤフーの話 判決文を見たうえで今後の対応を検討したい。
産経新聞の話 主張が一部認められなかったのは遺憾。判決内容を詳しく検討して対応を判断する。
(日本経済新聞の記事から引用)


ロス疑惑については、以下のまとめサイトを参照願います

「疑惑の銃弾」事件

それにしても、「ロス疑惑」を扱った報道に関しメディアを相手取って500件もの訴訟を起こしているのには驚きです。今回報道されている訴訟もその1つというわけです
およそ6割は三浦和義側の勝訴だそうですが、敗訴も4割あります。それらは正当な報道であると認められたのでしょう
2003年に最高裁で「一美さん銃撃事件」について無罪判決が言い渡された後、メディアの一部は掌を返したように三浦和義を悲劇のヒーローのように扱い始めたのには苦笑させられたものです
テレビにも度々登場し、「三浦社長」と呼ばれていました
しかし、「銃撃事件」では証拠不十分で無罪になったものの、「殴打事件」では有罪が確定しています。ここが重要な点です
したがってこの「ロス疑惑」を、事件とは無関係の善良な市民がある日突然殺人犯で逮捕された冤罪事件であるかのように扱うのは大いに疑問です
証拠が足りなかったから有罪にできなかった事件だと見るべきでしょう
現に、ロサンゼルスの検察当局は「銃撃事件」の共同謀議の容疑で三浦和義を起訴する方針を固め、サイパンに滞在している三浦の逮捕に踏み切りました
「裁判で有罪が確定するまでは無罪の推定を受ける」のは当然ですが、そこに犯罪の嫌疑があるのも事実です
その犯罪の嫌疑を指摘することが名誉毀損になるのか、と思ってしまいます
さて、上記のまとめサイトでは三浦和義が万引きで逮捕された件について、「有名人だから微罪であるのも関わらず大きく報じられた」と批判していますが、これはウェッブサイトの管理人の見識であり、とやかく言うつもりはありません
しかし、微罪とは言えども犯罪は犯罪です
それを報じるのが名誉毀損に当たるとは思えません
結局、ロス市警本部の留置場で三浦和義が自殺したため裁判は行われませんでしたが、アメリカの捜査当局がどのような証拠によって三浦和義を起訴する方針を固めたのか気になります

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