ノルウェーのテロ事件 壊れた家庭・両親の離婚

ノルウェーで発生した80人以上もの無関係な市民を殺害する無差別テロの犯人、アンネシュ・ベーリング・ブレイビク容疑者(32)について、その生い立ちなど明らかになりつつあります

ノルウェーの上流階級に生まれた少年はなぜ77人の命を奪う殺人鬼となったのか

この他にもブレイビク容疑者については、「ブレイビク容疑者は『家長としての父親の権威を取り戻すべく法を改正すべきだ』とも論じていた。それによって『父親たちは、母親やマルクス主義の文化形態からの責めや軽蔑を恐れることなく、家庭で子どもに規律や道徳、伝統的規範を教える勇気を再び取り戻すことができる』と自論を展開している」とも報じられています
ブレイビク容疑者の右翼思想とは、要するに家父長的(父親が権威を持つ)社会を理想とするものであり、それは離婚によって実父が不在となったために生じた父親へのあこがれや、権威のある父親への同一視によって生まれた考えなのでしょう
同時に、くだらない男と再婚した実母への憎悪や侮蔑も見て取れます
これは実父と離婚した母親=父を愛さなかった女=息子である自分を愛さなかった母親、という形で生じた憎悪なのでしょう
ブレイビク容疑者がどのような右翼的言動を誇示しようとも、根本的には壊れた家庭・離婚した両親への恨みつらみがこの事件の根源である、と考えられます
思春期に発現する家庭内暴力が形を変え、社会への八つ当たりとして無差別テロの形になった、と
ブレイビク容疑者の実父の言動も随分と奇妙なもので、離婚したからもう息子と自分は関係ないと言い切る態度も不可解です
「自殺するべきだった」と息子を切り捨てていますが、こうした実父の態度への当て付けの意味もあってか、ブレイビク容疑者は自殺もせず逮捕され、凶悪事件の犯人として生き続ける途を選んだのかもしれません(ノルウェーには死刑制度がない)
つまり、ブレイビク容疑者にとって実父はあこがれであり、理想の人物なのですが、実在する実父はその理想から遠い人物であり、息子である自分を愛さなかった父として憎悪の対象なのでしょう
父親を理想視し、過度の期待(それは父親から愛されたいという欲求)を抱いているブレイビク容疑者ですが、現実には実父の冷淡な態度に「裏切られた」気持ちで一杯であったと想像されます
犯行の形態は無差別テロなのですが、実態としては家庭への不満、両親への怒りを顕にした家庭内暴力の延長ともいえる事件です

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