中国人漫画家が語る中国の審美価値と品位(笑)

中国漫画界の第一人者陳維東氏が来日し、中国アニメーション・フェスティバルにおいて「中国のアニメ産業は、デジタル化技術が絶えず発展する絶好の時期にスタートを切り、発展を遂げている。中国アニメの魂は、中国自身の審美価値と文化的品位をベースにしなければならない」と語ったそうです
掲載しているのは朝日新聞なのですが、元記事は新華社通信です。何を言っているのかさっぱり理解できない内容です(苦笑)
この記事を書いた新華社通信は何を主張し、伝えたかったのでしょうか?

東京で中国アニメの発展と魂を語る 中国の漫画家

「欧米のアニメは、印刷技術によって発展し、日本のアニメは、映画・テレビ技術によって発展してきた。中国アニメのスタートは遅かったが、幸いなことに、アニメ作品を大規模に伝送できるデジタル化時代にスタートを切った」と述べているですが、まったく意味不明です
「欧米のアニメが印刷技術で発展した」などと言うくらいですから、まともな認識の持ち主ではないのでしょう
中国の携帯電話契約数が世界一であるという事実と、漫画やアニメーション産業の発展にどのような因果関係があるのか、話が見えません
そして、「中国アニメの魂は、中国自身の審美価値と文化的品位に基づくものでなければならない」との主張には笑うしかないでしょう
中国のどのあたりに審美価値やら、文化的品位なるものが存在するのか、具体的な例を挙げてもらいたいものです
おそらくその「中国アニメの魂」というのは、露天で売られている違法コピーDVDにでも宿っているのでしょう
こんなトンチンカンな新華社通信の記事をそのまま掲載する朝日新聞もどうかしているのではないか、と思ってしまいます
中国の漫画として何か代表作のカットでも挙げているのならともかく、具体的な作品も提示しないまま、中国の漫画やアニメは順風満帆だと主張したところで誰も信用しないはずです
そんなわけで中国の代表的な漫画をアニメーション化した「梦里人」を紹介します
「梦里人」は1990年代に人気を博した漫画であり、アニメーション化は2005年です
中国で漫画を原作にアニメーションが作られた最初のケースとされます
漫画好きの高校生の女の子とその友達の日々の生活と成長を描いた青春ドラマなのだそうで、全26話のテレビシリーズです
主人公がアニメの主人公になって大活躍…という夢想が展開されます

梦里人 episode 5


原作が1990年代だとしても、このアニメーションの作画の古めかしさはどうなのかと思ってしまいます
この時点で、携帯電話の契約数が世界一ではなかったとでも釈明するのでしょうか?
または中国自身の審美価値と文化的品位がこの程度だとでも説明するのでしょうか?
宮崎駿の「もののけ姫」が1997年の公開ですから、2005年に作られた「梦里人」の古臭さはいかんともしがたいところです。これを26話、通して視聴するのは拷問みたいなものです
一方で日本のアニメの魂とは、作り手のロマンと情熱でしょう
審美価値とか文化的品位などではなく、作り手自身が誰よりも表現意欲に旺盛で貪欲で、誰も見たことのない世界を描ききってやろうとの思いを抱えているからこそ、日本のアニメーションは他を圧倒しているのだと自分は思います

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