夾竹桃日記

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zoom RSS 「内向きに閉じた日本のマンガ市場」という批判

<<   作成日時 : 2011/11/13 20:07   >>

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マンガを海外向けに翻訳・出版するビジネスに関わり、現在は文化庁のメディア芸術

を推進する部署で研究補佐員である椎名ゆかりという女性が、「日本のマンガ市場は

内向きすぎる」との批判を開陳しています

アメリカで権威のあるアイズナー賞(コミック界のアカデミー賞というべき存在なのだそ

うです)の一部門で浦沢直樹が受賞したにも関わらず、浦沢直樹本人が授賞式にも出

席せず、メッセージも寄せないのは問題だ、との言い分です


北米マンガ事情第7回 「内向きに閉じた日本のマンガ市場」
http://www.animeanime.biz/all/118149/


自分もアイズナー賞の名前はまったく知りませんでした

おそらく日本のマンガ好きの人々も、出版関係者も、漫画家もアイズナー賞を知ってい

るとは思えません

浦沢直樹もアイズナー賞が何であるのか、過去にノミネートされた時点で初めて知った

のではないでしょうか?

確かに浦沢直樹がアメリカまで出向き、授賞式に参列し、感謝のスピーチをすれば会

場も大いに盛り上がったでしょうし、彼の作品を市場に売り込んでいる出版関係者も大

喜びしたと思われます

ビジネスとしては正論なのでしょう

だが本当にそうするべきなのか、という思いが残ります

「日本のマンガは日本の市場だけで成立しているのだから、わざわざアメリカまで行か

なくても」と言うつもりはありませが、どうもそんなビジネス世界のこまめな営業活動の

あり方と、漫画家の存在が相容れないように感じてならないのです

私的な体験を語れば、以前三省堂書店で本を買い、店から出ようとした際に出入り口

付近の一角に机とテーブルが設置され、押井守監督が座っているのを見ました

サイン会のイベントだったのですが、押井守監督の隣に書店の関係者が1人いるだけ

でサインを求める客は誰もおらず、暇そうにしていました

またとない機会ですので、数分ほど短い会話をさせていただきました

押井守監督が営業活動のためサイン会をして回るのはビジネス世界の話としては当

然なのでしょうが、押井守作品のファンとして当時は「そんな必要があるのかな」と思

ってしまいました

「作家・クリエーターだからサイン会やらトークショーなどすべきではない」とは言いませ

ん。そんなファンサービス兼営業活動も必要だとは理解しているつもりですが、どうに

も腑に落ちないのです

確かに日本の漫画家も海外の市場に目を向け、サンディエゴから全米主要都市を回っ

てサイン会や握手会をすべきなのでしょうし、アメリカのコミック市場に売り込みをかけ

るべきなのでしょう

おそらく中国や韓国の漫画家ならそうするに違いありません

日本のマンガファンの中には、「作品だけ、作家性だけを売り込めばそれで十分であり、

漫画家自身が営業活動するくらいなら漫画を書いてろ」との意見もあります

さすがにこれは極論ですが

漫画家たちは日本国内にいてもそうそう頻繁にサイン会をやったりはしませんし、トーク

ショーに顔を出したりはしません。むしろ、姿も見せず、声も聞こえてこないのが当たり

であり、「締め切りに追われて徹夜の連続」だと思われているからこそ、椎名ゆかりの

指摘(極めて正論なのですが)が腑に落ちないのではないか、と想像します

まあ、浦沢直樹が営業スマイルを浮かべて名刺交換したり、アメリカの出版関係者を前

にパワーポイントを使って自分の作品のプレゼンをしている姿というのはイメージできませ

んが

ましてや宮崎駿が、ニューヨークのダウンタウンでDVDの販売・握手会イベントをやって

いる姿など、思いも寄らないところです

それでも昨今のTPPを巡る騒動をニュースで見ていると、日本のクリエーターたちにも海

外へ積極的な売り込みをかける姿勢が求められる時代なのだな、と感じます

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