豊川引き篭もり殺人を考える7 責任能力で論争

愛知県豊川市で15年近く引き篭もり生活をしていた長男が刃物で次々と家族を殺傷した事件ですが、ようやく裁判が始まっています
初公判までに時間がかかったのは、被告の責任能力を巡って精神鑑定が実施されたためなのですが、裁判の方ももっぱら責任能力を巡る論争が中心のようです

「責任能力」激しく対立 豊川一家5人殺傷事件

弁護側の主張がどこまで岩瀬被告の心情を代弁したものなのか疑問です。他人との意思疎通に問題がある岩瀬被告が、ペラペラと弁護人に自分が何を思って行動したのか説明できたとは考えられないからです
断片的な岩瀬被告の話を繋ぎあわせ、1つのストーリーに仕立てたのではないでしょうか?
もちろん被告のために弁護をするのが弁護人の仕事ですから、そうした方法を批判したり、否定するつもりはありませんが
結果として岩瀬被告を追い詰め、犯行へと駆り立てた原因は家族の側にあると弁護人は主張しています
これでは殺害された家族も浮かばれないでしょう
さて記事の中では、家族が解約したインターネット契約を岩瀬被告が再び契約したとか、家族が宅配便用ポストを外して処分すると岩瀬被告が警察に通報したというエピソードが紹介されています
弁護側はこれを「家族が岩瀬被告を追い詰めた証拠」だと言いたいのでしょう
しかし、インターネットのプロバイダー契約をしたり、警察に通報するといった行動を見るかぎり、岩瀬被告には一定の社会適応能力があったと見て間違いないのでしょう
職場での適応能力には問題があったとしても、それで社会生活全般に不適応だと断定はできません
ましてやそれで責任能力まで否定するのは飛躍しすぎです
以上の経緯から岩瀬被告が強い殺意を抱いて犯行に至ったと考えるのは当然であり、「殺意はなく傷害の意図しかなかった」とする弁護側の主張には無理があると自分は感じます

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