豊川引き篭もり殺人を考える8 懲役30年の判決

愛知県豊川市で昨年4月、家族5人を殺傷したとして、殺人と現住建造物等放火などの罪に問われた無職、岩瀬高之被告(31)に、名古屋地裁岡崎支部は懲役30年の判決を言い渡したと報じられています

家族5人殺傷の男に懲役30年 名古屋地裁岡崎支部

判決言渡しは12月7日ですから、ブログで取り上げるのが遅くなってしまいました
岩瀬被告は最終陳述で、「何でこうなったのかわかんない。みんなごめんなさい」と家族に対し謝罪したそうです
しかし、「何でこうなったのかわかんない」では殺害された父親も浮かばれないと思われます
父親の給料を取り上げ、インターネットショッピングに注ぎ込んで好き放題をやっておきながら、父親を包丁で殺害しておきながら、「何でこうなったのかわかんない」と言うのが精一杯なのでしょうか?
それでも岩瀬被告の母親は、「死刑を望んでいたが、息子が謝罪したので懲役2、3年を望む」と刑の軽減を求める発言をしています
やはり母親だけあって、息子には甘いのでしょう
さて、岩瀬被告の「何でこうなったのかわかんない」という発言はさまざまな解釈ができます
「岩瀬被告は知的障害と発達障害があり、責任能力はなかった」と主張した弁護人の側からすれば、「犯行時の記憶もなく、自分が何をしたのかさえはっきりと認識できていない証拠」になるのでしょう
しかし、別の解釈も可能です
仮説を立てるなら、岩瀬被告は自分の引き篭もりを親のせいに置き換えており、自分が親に暴力を振るうのも、親の給料を好き勝手に使うのも当然の権利だと考えていた可能性があります
その結果、父親を殺害するまでエスカレートしてしまったのですが、岩瀬被告にすればその結果も親のせいであり、自分の責任ではないと言いたいのかもしれません
そうした思いが、「何でこうなったのかわかんない」=「自分のせいではない」との言い分に繋がったと推測できます
「ごめんなさい」が付け加えられているものの、あくまで自分の責任は認めないという頑なな姿勢を貫いているようにも感じられます
そもそも引き篭もりを続けてきた人間が、事件を起こし、逮捕されたからといって、自分のこれまでの生き方の誤りを認めたり、改心したり、反省するとは限りません
岩瀬被告の母親は「ごめんなさい」の一言でほだされたようですが
もちろん知的な能力に限りのある岩瀬被告ですから、事件を起こした自分の中の衝動や、その結果もたらされた家族の深い傷や悲しみについて整然と語るのは困難なのでしょう
しかし、それでも自分の言葉で何かを語れたはずではないか、と思ってしまいます
「何でこうなったのかわかんない」という岩瀬被告の発言は、自らの行為を省みるの
を投げ出してしまい、「わからない」で片付けてしまおうとする態度のように自分には映ります
知的な障害のある人は説明困難な質問に対してあいまいな態度を示し、質問者が諦めたり、勝手な解釈をして「つまり○○ということなんだね」と答えを用意するのを待ったりします
知的障害者ならではの身の処し方なのですが、結果として質問者自身が答えまで用意してしまうため、質問の役割を果たしません
あるいは上記のように知的障害者が自ら「わからない」を連発し、答えずに済ませるという身の処し方に走ったりするケースもしばしば見られます
本当はそこで質問を打ち切ったり、答えを提示したりせず、辛抱強く答えを待つべきなのですが

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