東京電力エリート社員の値札付け替え詐欺

昨年11月、東京電力の社員がバーゲン会場で商品の値札を貼り替え、高額商品を格安の値段で騙し取る犯行により逮捕されています
その裁判の様子を産経新聞が記事にしていますので取り上げます

“4畳半生活”福島第一原発の激務 院卒インテリが「値札付け替え」詐欺に手を出したワケは…

法廷を傍聴したレポートとしてはこれで十分なのかもしれませんが、東京電力の社員がなぜこのような犯罪に手を出したのか、という視点が欠けています
もちろん記者にはそれが分からず、説明ができないのから書かなかったのでしょう
「未曾有の事故処理に格闘する同僚と、すぐそばにいた妻の存在が頭をよぎることはなかったのだろうか」と記者は書いているのですが、これは被告である東京電力の社員の立場や心情をまったく理解していないがゆえの書き出しでしょう
結論を先に書けば、この被告は福島原発で格闘する同僚のことなど頭になく、むしろ東京の本社で働く同僚や後輩への恨みつらみでいっぱいだったと考えられます
自分だけが福島に飛ばされ、四畳半の宿舎で過酷な生活を強要されているという被害者意識を強く抱いていたはずですし、東京の本社でぬくぬく仕事をしている同僚や後輩を恨み妬んでいたと推測できます
そんな不満、鬱屈が犯行の背景にあったと考えなければ事件の意味を読み違えてしまう結果になります
夫が目の前で逮捕されたため妻がショックを受けているという話も分かるのですが、この夫婦の間にどれだけ心のつながりがあったのかも疑問です
夫である被告の不満は上記のような同僚に対するものだけではなく、東京のタワーマンションで暮らす妻にも向けられていた可能性があるからです
「オレがこんなに苦労しているのに」という夫の心中を妻は理解していたのでしょうか?
もちろんこの被告は自分が抱えている不満や職場の辛さを妻には語っていなかったとも考えられます。己の感情を率直に、妻に吐露できるならこんな犯罪には走らなかったのでしょう
妻の方も、夫の過酷な単身赴任生活(あの福島原発の事故処理に取り組んでいるのですから)を思いやり、愚痴や不満を聞く役割を務めていたなら話は違ったのかもしれません。そうした夫婦間の会話がどれだけあったのか、と思ってしまいます
妻を責めるのは酷かもしれませんが、夫がどれだけ不満を抱えストレスにまみれていたのかを思いやり受け止めてやれるのは妻だけです
夫にしてみれば東京本社でぬくぬく仕事をしている同僚も、東京のタワーマンションでぬくぬく暮らしている妻も、不満の源泉だったと推測できるのです
同時に被告は妻の抱える不満や悩みにも無関心であった可能性があります。自分の抱え込んだ不満でいっぱいいっぱいであり、妻の話を適当に聞き流していたのかもしれません
被告が「信頼回復に努めたい」と言うのは立派な心がけかもしれませんが、まずは妻にも愚痴をこぼせなかった(自分の本音を打ち明けられなかった)己の弱さや器の小ささと向き合うべきでしょう
「夫たるもの妻に愚痴をこぼすべきではない」と主張する方もいるのでしょうが、人はそんなにタフではありません。時には妻に愚痴をこぼしたり、不満を打ち明けたり、慰めてもらうことも必要です。そのための夫婦なのですから

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