中国の空母は金食い虫

脅威論が飛び交う中国の空母導入ですが、あまり過敏な反応をするのもどうか、と思ってしまいます
確かに中国海軍が空母を保有している現実を軽視すべきではありませんが、だからといった大騒ぎし、「日本も空母を保有すべきだ」と主張するのは冷静さを欠いているのではないでしょうか?
中国の世論は空母の登場に沸き立っているようですが、海軍の担当者はそうした熱狂とは一線を画しているようです

中国空母、運用までに10年…海軍少将見通し

「作戦能力を形成するには、10年以上の時間を要すると思う」と、実務者らしい見識を示しています
中国の空母はまだ正式な呼称がありません。そのためメディアは旧ソ連時代に命名されや「ワリャーグ」とか「ヴァリャーグ」と表記しています(ヴァイキングをロシア語読みしたものだそうです)
この空母は1985年にウクライナで建造が始まり、1988年に船体が完成したものの空母としての艤装は財政難のため進まず放置されたままでした
その後、旧ソ連の解体によって所有権がウクライナへ移ったものの、ウクライナ海軍にはこのワリャーグを空母として完成させ実戦配備する予算もなく、スクラップとして中国へ売却されたのです(1998年)
この時点ですでに建造から13年を経過しています
さらに空母の外観を持つワリャーグをウクライナからトルコのボスポラス海峡経由で中国へ曳航するのに、トルコ政府が難色を示したため外交問題に発展しました
トルコ政府との話し合いがついて、ワリャーグが中国へ曳航されたのは2002年3月です
当初はカジノ船になる予定だと公表されていたのですが、軍事筋は最初から「中国が改装して空母にする計画」だと読んでいました
結果はそのとおりで、大連の造船所でワリャーグの改装が進められ中国海軍初の空母として再登場したのです
繰り返しになりますが1985年の建造からすでに26年を過ぎており、老朽艦とは言わないまでも船体はかなり古くなっています
原子力空母ではない通常動力型の空母としては、アメリカ海軍のキティホークが1960年に進水し、2009年に退役しています。約49年の艦歴でした
となれば、ワリャーグの寿命はあと20年少々というところですが、アメリカ海軍並のメンテナンスが可能なら、という条件付きです。当然、莫大な維持費がかかります
実際のところは訓練用空母として、あと10年ちょっとは外洋に出れるくらいではないかと思われます
中国がウクライナから買い取ってから今日の姿に改装するまでにも多額の費用を要したわけであり、その費用対効果が疑問視されるのは当然でしょう
それほどまでにお金をかけ、外洋で行動する空母が必要と考える理由がどこにあるのかと思うのですが(日本なら野党が税金のムダと猛反発するところです)
その戦略的な狙いはともかく、本格的な実戦向け空母は次に建造される船から、と中国海軍は考えているのでしょう
ちなみにこの空母はアメリカの空母のようなスチームカタパルトは装備していません
映画「トップガン」でも知られているように、空母から艦載機が発進するため蒸気の圧力を利用して加速させ、射出するための装置をスチームカタパルトと呼ぶのですが、これを実用化できたのはアメリカだけであり、旧ソ連の空母にはありません(フランスの保有する空母にもスチームカタパルトが装備されています。これはアメリカが技術提供して実現したものです)
超大型空母の艦載機カタパルト射出・着艦・高速航行映像


そのため艦載機を発進させるためには空母を風上に向けて全力で航行させ、舳先に設けられたスキーのジャンプ台のような傾斜を利用して艦載機を空中へ投げ出す方式にが取られています。ただし、発艦のために推力を使うので、重量がかさむミサイル等の武器の搭載量を減らす必要が生じます


(関連記事)
日本のF35戦闘機追加配備を揶揄する中国
中国メディアの飛ばし記事「韓国の国産戦闘機を米海軍が350機導入」
中国海軍イージス艦 リムパックに参加
空母導入を目指す韓国の思惑
日英武器共同開発を批判する中日新聞
日本の情報収集衛星を敵視する中国
日本の宇宙開発を見下す中国メディア
中国宇宙ステーション建設へ 目的は謎
日本の宇宙実験棟「きぼう」 中国の嫉妬と誤解
中国潜水艦 ミサイル発射実験に失敗し大破
中国海軍の動向に右往左往する民主党
中国の軍事予算のデタラメ 本当は10兆円超
世論調査「中国を信頼できず84%」
豪次期潜水艦 日本は脱落と報道される
豪潜水艦調達計画でフランス勝利だが


アメリカ海軍航空100周年
文林堂
2012-03-09

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by アメリカ海軍航空100周年 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル