韓国・北朝鮮合作アニメ「王后沈清」は興行失敗?

相変わらず北朝鮮と韓国は互いに非難合戦を繰り広げており、関係修復の可能性は限りなく低いように見えます
かつては金大中政権時代から盧武鉉政権にかけて南北の和解ムードが高まり、さまざまな共同事業が試みられました
その1つが韓国と北朝鮮の合作アニメーション「王后沈清」です
李氏朝鮮時代の民話「沈清伝」を題材にしたもので、1998年から6年6カ月をかけて制作されました。制作費は650万ドル(約5億2000万円)です
企画やキャラクターデザインは韓国が担当し、原画や彩色、動画は北朝鮮が担当したのだそうです
しかし、制作に6年6月とはいかにも時間がかかりすぎであり、生産性の低さが際立っています。名探偵コナンの劇場版が毎年1本公開するペースで作られているのを考えれば、とても商業ベースに乗るような仕事ではありません


同作品は朝鮮半島に伝わる民話「沈清伝」を原作としたもので、親孝行をテーマにした韓国らしい題材。ハリウッドで活躍しエミー賞を8回受賞した在米韓国人のネルソン・シン監督は「あまりに長く続いた分断の中でもわれわれはひとつの民族であったし、今もそうだということを子どもたちに、世界の人々に伝えたい」との願いを込めた。作品は2005年ソウル国際アニメフェスティバルの長編部門でグランプリを受賞している。
企画協力にあたり、京都シネマ関係者は「民話を土台にしているが『現代化』という難しい課題をクリアして、新世代と世界各国に支持と好感を得ている。ハリウッド的演出感覚と、韓国・朝鮮のアニメーション技術力が初めて結合された歴史的な作品」と話す。

王后沈清



最新のコンピューターグラフィックス技術を駆使した、と報道されているのですが、技術の進歩に見合っただけの作画クオリティなのかは疑問です
あまりに画が平板すぎ、奥行きも陰影も感じられません
たとえばスタジオジブリの「もののけ姫」は1997年公開です。コンピュータグラフィックスの技術からすれば「もののけ姫」より、後発の「王后沈清」の方が優れているはずなのですが、作画のクオリティは格段に落ちます
この作品を紹介した毎日新聞の記事では、世界中のアニメ映画祭で話題になるほどすごい作品だと書いているのですが、実際には2005年にソウル国際アニメフェスティバルの長編部門でグランプリを受賞しただけのようです。これも南北合作だからという理由で、いわばお手盛りの受賞でしょう
もし「王后沈清」がアヌシー国際アニメーション映画祭のような場で入賞を果たしたのなら、韓国メディアは大いに自慢する記事を書いたのでしょうが、そんな記事は目にしていません
日本では2008年11月からいくつかの映画館で上映されたのですが、まったく話題になりませんでした
650万ドルの制作費と宣伝費を回収するだけの興行収入を挙げたようには思えませんので、この記念すべき南北共同制作アニメは大きな赤字だけを残す結果に終わったのではないでしょうか?

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