日英武器共同開発を批判する中日新聞

電波な社説を掲載する新聞としては朝日新聞、毎日新聞が有名です。しかし、全国紙ではない中日新聞も、負けずと電波な社説を掲載する日が時々あります
今回は中日新聞が4月11日朝刊に掲載した社説「日英武器共同開発、平和国家を汚さないか 中国を意識しすぎてアジアの緊張を高めるのは本末転倒」を紹介したいと思います
タイトルからして出力全開です。中国を全面的に支持する中日新聞らしい気迫が溢れており、その異常なまでの中国愛が伝わってきます
社説の紹介ですので全文を引用させていただきます


日英武器共同開発、平和国家を汚さないか 中国を意識しすぎてアジアの緊張を高めるのは本末転倒
日英両首脳が武器(防衛装備品)の共同開発で合意した。武器輸出を厳しく制限してきた日本が、武器の輸出や共同開発に積極姿勢へと転じれば、平和国家の体面を汚すことにならないか、心配だ。
武器輸出や関連技術移転を禁じる武器輸出三原則は、冷戦下の一九六七年に佐藤内閣が打ち出し、七六年に三木内閣が確立した。
その後、ミサイル防衛(MD)のために米国との共同開発を例外的に認めたことはあるが、昨年十二月、三原則を抜本的に緩和して米国以外との武器の共同開発を解禁したのは野田民主党内閣だ。
解禁後、英国を含む多数の国から共同開発の打診があり、キャメロン英首相訪日にも軍事産業など多くの英財界人が同行している。
武器を共同で開発すれば開発コストを抑え、相手国の技術力も活用できる。ともに財政事情が厳しく、防衛費削減と軍事・防衛産業の育成を迫られる日英双方の思惑が一致したのだろう。
キャメロン首相はヘリコプターの共同開発に言及したようだが、どんな武器が対象なのかは両政府間でこれから検討するという。対象が決まらないまま話を進めるのは、とにかく共同開発を既成事実化したいからではないのか。
英国側には高い技術力を持つ日本との共同開発で他国に売れる武器をつくり、自国の軍事産業を育てたいとの思惑があるのだろう。が、軍事的緊張が高まるアジアを武器売り込み対象として視野に入れているのなら看過できない。
台頭著しい中国に対抗するためとはいえ、周辺国が最新鋭兵器を導入すれば、双方が軍拡を進め、地域が不安定化する「安全保障のジレンマ」に陥る可能性がある。
野田内閣が三原則を緩和した際も共同開発の条件に「わが国の安全保障に資する場合」を挙げている。英国との共同開発がアジア・太平洋地域での軍事的緊張を高める結果になるのなら本末転倒だ。
日本が武器輸出を禁止してきたのは国際紛争を解決する手段として武力の行使や威嚇をしない平和国家の崇高な理念からだ。
武器輸出三原則と核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」という非核三原則を国是とした日本だからこそ、軍備管理・軍縮分野で影響力を持てたのではないか。
武器輸出や共同開発をなし崩しで解禁すれば、日本の平和国家イメージを損ない、国益を毀損(きそん)する。野田佳彦首相はそのことをあらためて肝に銘じるべきである。
中日新聞 2012/04/11


日本が武器輸出三原則や非核三原則を国是として掲げてきたからといって、軍備縮小や核兵器規制といった分野で影響力を行使できた事実があったのか、それを問わなければなりません
枕詞のように、「日本は世界でただ1つの被爆国」だと主張しても、それがロシアやアメリカ、中国の核兵器規制に結びついたのでしょうか?
核兵器削減はあくまで核兵器保有国同士の話し合いで進められており、核兵器を保有しない日本が影響力を持っているかのような考え方は誤りでしょう
核兵器廃絶を訴える市民運動の方が、「日本政府の影響力」より上であるとも考えられます
武器輸出三原則を守ってきたから日本は高いステータスを維持できたと断言できるものなのか、大いに疑問です
いまさら武器輸出三原則を放棄したからといって、日本の国益が侵害されるような事態が起きるとは思えないのです
強いて言うなら、日本の武器輸出開始しで市場を奪われる中国や韓国が「日本はけしからん。軍国主義だ」と批判する可能性はあるのでしょう
イギリス側が日本との武器共同開発で何を期待しているのか、中日新聞の論説委員は何も取材せず、椅子にふんぞり返ったまま社説を書いているのは随分と珍妙に映ります
イギリスの軍事事情はニュースとして配信されているのですから、記事を検索すれば日英の武器共同開発に寄せるイギリスの思惑を読み取れるはずです
イギリスは核弾頭搭載の弾道ミサイルを発射可能な原子力潜水艦を保有しています(ただし、核兵器の使用はアメリカとの合議が前提です)
しかし、この原子力潜水艦が老朽化しており、新たな原子力潜水艦建造が課題になっています
イギリスの原子力潜水艦はヴァンガード級と呼ばれ、全長149メートル、総排水量は1万5千トンを超える大型艦です。搭載するトライデント級弾道ミサイルが非常に大きかったので、それを格納・発射するため船体も巨大なものになってしまいました
現在、イギリス海軍は4隻(稼働可能な船は3隻)を保有しています
2024年までには退役させる予定になっており、その代替となる潜水艦建造を計画しているのですが、3隻もの原子力潜水艦建造には多額の予算が必要です
といって日本に潜水艦建造技術を期待しているわけではありません。潜水艦に予算を食われる分、その他の兵器の更新や開発費の抑制を迫られているのです
イギリスは日本と同じく海に囲まれていますから、広い海域をカバーする対潜哨戒機も多数保有しており、その更新も必要になっています。しかし、原子力潜水艦建造を優先するため、対潜哨戒機の更新は先送りされた状態です
こうした分野での協力はあり得るのでしょう
話を戻して、武器輸出を中日新聞が目の敵にする理由がさっぱり分かりません
国連安保理の常任理事国はどこも武器輸出国ばかりです。それでも平和の番人を自称していられるわけで、武器輸出が国の威信を傷つけると断言するのは異常でしょう

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