女子レスリング吉田沙保里に国民栄誉賞

オリンピックで3連覇、世界選手権で10連覇を成し遂げた女子レスリングの吉田沙保里選手に国民栄誉賞が授与される、とメディアが報じています
その実績からすれば国民栄誉賞の授与は当然でしょう
国民栄誉賞の話題は前にも取り上げました
今回も上記の記事は、オリンピックで3連覇を達成した伊調馨選手に国民栄誉賞を与えないのはなぜか、との疑問を提起しています
それほど複雑な理由があるとは思えず、単純に女子レスリングの選手ばかり2人に国民栄誉賞を与えるのはどうかと政府関係者が思っただけの話であり、実績で上回る吉田選手を優先しただけでしょう
自分としては伊調選手と併せ、2人に国民栄誉賞を与えてもよいと思います。同じスポーツの種目でも傑出した成績を挙げた人間が複数いるのであれば、複数の人間を顕彰し、功績をたたえてしかるべきです
政府の対応としては吉田選手に国民栄誉賞を与え、伊調選手は内閣総理大臣顕彰でバランスを取る考えかもしれません(内閣総理大臣顕彰は国民栄誉賞と同等の価値がある、と政府の見解が示されていますが、国民がどう受けとめるかは別です)
記事では「誰もが納得できる明確な基準を作るべき」と主張しています。もっともな意見なのでしょうが、国民栄誉賞が芸能やスポーツその他の分野で顕著な実績を挙げた人物を対象にしているため、明確な基準の設定は極めて困難です
以前にも触れましたが、柔道の田村亮子はオリンピックで2連覇を達成し、その他の国際大会でも数多くの優勝を成し遂げてた実力者です。が、国民栄誉賞の受賞はなく、内閣総理大臣顕彰を与えられています
女子マラソンで日本人女子選手として初の金メダルを獲得した高橋尚子選手は国民栄誉賞を受賞していますが、アテネオリンピックで金メダルを獲得した野口みずき選手は受賞していません
古くは、プロ野球の王貞治選手が国民栄誉賞を受賞していますが、長嶋茂雄選手は受賞していないという問題があります
これは成績(王選手の場合はホームランの世界新記録達成)をきっかけに賞を贈る話が持ち上がるためで、表彰するタイミングを失ってしまうと賞を贈りにくくなってしまいます。その結果、黒澤明や渥美清のように、亡くなってから国民栄誉賞を贈る事態が起きます
個人の努力とその功績を称えるためにもできるだけ生前に賞を贈るのが望ましいわけであり、明確な基準作りより表彰制度の柔軟な運営こそが必要だと思います
追記:伊調馨選手とその後のレスリング協会との対立、確執を見ると、日本レスリング協会が伊調選手の国民栄誉賞に反対したのではないか、との疑念が湧きます。が、そうであるという証拠もないので、個人的な疑念として記すにとどめます

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