中国のショートアニメ「バットマン 上海」

YouTubeにアップされている「Batman of Shanghai」は3つのショートフィルムからなるアニメーションです。説明するまでもなくバットマンが上海で大暴れする内容であり、「俺たちの手にかかればこんなすげーアニメが作れるんだぜ」という、制作した中国のアニメーション会社の自負が垣間見えます

Batman of Shanghai


舞台は1930年台の上海なのだとか。それにしてもカンフーアクションをこれでもかと描くのは、中国人アニメーターの強い執着なのでしょうか?
逆に言えばカンフーアクション以外に見せ場がないと指摘できます
派手なアクションを描き、己の技量を誇示して「中国のアニメはここまで表現できるのだ」と誇りたい気持ちが伝わってきます
しかし、それだけの作品でしかありません
バットマンという有名なキャラクターを借りているからこそ多少は注目されるのであって、バットマン抜きなら誰からも相手にされない作品だと自分は思います
このショートフィルがきっかけでハリウッドの映画会社から声をかけられ、劇場版「バットマン」の制作を託される・・・なんて展開を期待しているのかなとしてしまいます
ただ、仮にそんな話があったとしても体よく下請けとして使われるだけであり、対等なパートナーとして扱われる可能性は皆無でしょう
なぜ中国のアニメーション制作会社は自分たちの手で、バットマンに匹敵するようなキャラクターを創造しようとしないのか、訊いてみたいところです(できないから、と言えばそれまでです)
オリジナルのキャラクターを使い、誰も描いたことがないような世界で動かしてこそ、作り手も楽しめると思うのですが
これだけでは話題として物足りませんので、中国のメディア、「北京週報」の記事を紹介しておきます。「北京週報」といえば「人民日報」とならぶ官製の報道機関です

中国のアニメ・漫画と日本のアニメ・漫画の違い

記事そのものは2011年11月付けであり、チャイナネット(中国人民網)でも配信されていますので、すでに読んだ方もおられるでしょう
最初に突っ込んでおくべきは、「日本のアニメ・漫画産業の売上高は年間230兆円、純利益は年間6000億円に達している」との記述です
ええとですね、日本のGDPが2011年で506兆円であり、アニメ・マンガ産業の売上だけで230兆円などという事実はありません
「アニメ・漫画産業は今や日本の第3の産業となり、広義では日本のGDPの十数パーセントを担っているという」事実はありませんので、念のために
元記事を書いたのは日本にある華僑系の新聞社(与太記事を連発している信用できないメディア)のようですが、記事を全く精査もせず転載している「北京週報」の編集部は、よほど頭が緩い人の集まりなのでしょう
以下、記事の中では中国のアニメが革新性に欠けるだの、ストーリーが単調すぎるだの、神話をモチーフにするのを好む割に活かしきれない、といった指摘が並んでいます。指摘はもっともなれども、ではどうするのか、という視点は欠けた中国らしい記事です(批判するばかりで中身がない)
下手でも不器用でも、アニメーターたちが描きたい世界を描こうという、そんな制作環境を用意するところから始めてはどうか、と自分は考えます。商売抜きにしてそんな環境を用意できるのが社会主義国だったはずです

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