井筒監督「漫画を安易に映画化しすぎる」と批判

映画監督井筒和幸は歯に衣着せない発言でしばしば物議を醸す人物です

自身の新作映画「黄金を抱いて翔べ」の公開にあたり、「昨今の邦画の傾向を

振り返り「最近の映画は漫画の原作ばっかりになってしまったからね…。どうな

のかな?って。作り手としては『何でこうなってしまってん?』という思いがある

よね」と、漫画原作頼りの昨今の邦画界の姿勢を批判しています」

確かに漫画を映画化(実写化)という作品が目立つ現状です。では、井筒監督

の批判はどのあたりにあるのでしょうか?


井筒監督、邦画界の安易な実写化に苦言「漫画はストーリーボードではない」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121025-00000319-oric-movi

「漫画原作が多いけど、漫画はストーリーボートじゃないんです。1コマ目から次
のコマへ行間を持たせることもある。それは『漫画文化』として成立し、そこが読
者を楽しませるポイントでもある」と漫画の特性を分析。それでも「だけど、それ
を映画で実写化したときに、映画としての作り込みもせずに作品を完成させてい
る」と、安易な漫画の実写化に苦言を呈す。
さらに、話は制作側にも及び「作品の中での整合性を求め出したら無理がある
のに、『そこは考えんといて』という制作側の意図が見える。リアリティと整合性が
ないのに映画を見続けるなんて感覚を僕は共感できない。理詰めでやればいい
という事ではなく、1シーンごとに何にも勝るリアルを作り出すことは必須条件なん
だよ」とまくし立てた。


何を主張したいのか、よく分かりません。映画は映画なりのリアリティを追求しな

ければならない、と言いたいのでしょうか?

漫画という完成された世界観、確立されたキャラクターを借りて映画化したところ

で、そこにはリアリティが不足しており、物語としての整合性に欠けた作品になっ

てしまう場合もあるのだと

古い話を引っ張りだして恐縮ですが、井筒監督は映画「東方見聞録」を撮影して

いた際、俳優が重量9キロの鎧を着せて滝壺に落ちるシーンを描こうとしたので

すが、俳優はそのまま溺れて死亡するという事故を起こしています。リアリティに

執着したがゆえに、レプリカの軽い鎧ではなく、重さ9キロもの鎧を着用させたの

でしょう

役者がフリで済ませたり、最近のようにCGで代用するのではなく、肉体を駆使し

たり、実際にトラックを横転させたりすることでリアルなシーンを描き出すのが映

画だという考えなのだと推測されます

逆に言うなら漫画を実写化する際に、「これは(漫画を元にした)ファンタジーな

のだから、リアリティなんか追求したらダメだ。かえっておかしくなってしまう」との

弁解が先に立ち、手抜きが横行しているのかもしれません。この場合の手抜きと

が「映画としての作り込み不足」を指します

井筒和幸監督は若いころに、あだち充の人気漫画「みゆき」の実写化を引き受け

たものの、「電車内で初めて読んだ原作の内容の無さに呆れて本を放置した。仕

事を続けるものの撮影前のカット割をしているうちに鬱状態となった」と自身の語

っています。当時、売出中のアイドルが人気漫画のヒロインを演じるという、よくあ

るアイドル映画だったのですが、原作漫画の世界観やキャラクターにまったく共感

できなかったのでしょうし、それを映画化するにあたってどうリアリティを追求すべ

きか悩んだのかもしれません

まあ、アイドル映画にリアリティを求める観客はいないわけですが、映画監督とし

てはそこで何とか自分の技量を発揮し、自分なりの表現方法を模索するものなの

でしょう

他方で、アニメーションはアニメーションで完結された表現を追求するのであり、単

に漫画が音声付きで動くだけでないのは言うまでもありません

みゆき PV H²O version

井筒監督の苦言はどうあれ、日本の映画関係者が漫画を実写化してヒットを狙う

傾向はまだまだ続くと思われます。その結果、良作が生まれる可能性もありますし、

とんでもない駄作が量産される危険もあります

たとえばAKB48のメンバーが演じる「けいおん!」の実写版など、見たいとは思わ

ないのですが、秋元康なら企画しそうです

(関連記事)
漫画実写化は是か非か、を巡る議論
http://05448081.at.webry.info/201611/article_1.html
能年玲奈主演「ホットロード」興収20億円突破のヒット
http://05448081.at.webry.info/201409/article_7.html
松本人志「R100」が大コケ
http://05448081.at.webry.info/201310/article_6.html
「魔女の宅急便」実写化の賛否
http://05448081.at.webry.info/201304/article_38.html
中国初の本格萌えアニメ「甜心格格」
http://05448081.at.webry.info/201212/article_3.html
中国で視聴率1位の人気アニメ「熊出没」
http://05448081.at.webry.info/201211/article_42.html
「エヴァンゲリオン」庵野監督を語る週刊プレイボーイのスカスカ記事
http://05448081.at.webry.info/201211/article_34.html
インドアニメ「アルジュンの大冒険」日本で放映
http://05448081.at.webry.info/201211/article_30.html
イギリスで「ドラゴンボール」実写化?
http://05448081.at.webry.info/201209/article_15.html
ハリウッドが映画化すべき漫画5作品~米国サイトが選出
http://05448081.at.webry.info/201110/article_23.html
「ゴルゴ13」 海外で実写版映画化
http://05448081.at.webry.info/201109/article_24.html
日本と米国のアニメの違い「テーマと暴力シーン」
http://05448081.at.webry.info/201109/article_26.html
日本アニメ原作の映画「Blood::The Last Vampire」世界でコケまくる
http://05448081.at.webry.info/201108/article_34.html
香取慎吾で「こち亀」映画化
http://05448081.at.webry.info/201008/article_22.html
香取慎吾の映画「こち亀」 大惨敗
http://05448081.at.webry.info/201108/article_31.html
「ドラゴンボール」日本人コンビで実写化の噂
http://05448081.at.webry.info/201102/article_31.html
「忍たま乱太郎」 なぜアニメを実写化するのか?
http://05448081.at.webry.info/201107/article_10.html
手塚治虫「ブラック・ジャック」をアメリカで実写ドラマ化
http://05448081.at.webry.info/201208/article_5.html
ハリウッドの大コケ映画「スーパーマリオ・ブラザーズ」
http://05448081.at.webry.info/201004/article_75.html
劇場版アニメ「モンスター・ホテル」がコケる
http://05448081.at.webry.info/201211/article_24.html
「四月は君の嘘」映画化 大丈夫か?
http://05448081.at.webry.info/201509/article_10.html
広瀬すず 映画「ちはやふる」爆死報道
http://05448081.at.webry.info/201603/article_29.html
広瀬すず 映画「チアダン」は興収11億と低迷
http://05448081.at.webry.info/201704/article_18.html
西内まりや主演「キューティーハニー」公開間近
http://05448081.at.webry.info/201609/article_21.html
西内まりや主演映画「キューティーハニー」大コケ
http://05448081.at.webry.info/201610/article_21.html
実写版「ジョジョの奇妙な冒険」大コケ
http://05448081.at.webry.info/201709/article_21.html