井筒監督「漫画を安易に映画化しすぎる」と批判

映画監督井筒和幸は歯に衣着せない発言でしばしば物議を醸す人物です
自身の新作映画「黄金を抱いて翔べ」の公開にあたり、「昨今の邦画の傾向を振り返り「最近の映画は漫画の原作ばっかりになってしまったからね…。どうなのかな?って。作り手としては『何でこうなってしまってん?』という思いがあるよね」と、漫画原作頼りの昨今の邦画界の姿勢を批判しています」
確かに漫画を映画化(実写化)という作品が目立つ現状です。では、井筒監督の批判はどのあたりにあるのでしょうか?


井筒監督、邦画界の安易な実写化に苦言「漫画はストーリーボードではない」
「漫画原作が多いけど、漫画はストーリーボートじゃないんです。1コマ目から次のコマへ行間を持たせることもある。それは『漫画文化』として成立し、そこが読者を楽しませるポイントでもある」と漫画の特性を分析。それでも「だけど、それを映画で実写化したときに、映画としての作り込みもせずに作品を完成させている」と、安易な漫画の実写化に苦言を呈す。
さらに、話は制作側にも及び「作品の中での整合性を求め出したら無理があるのに、『そこは考えんといて』という制作側の意図が見える。リアリティと整合性がないのに映画を見続けるなんて感覚を僕は共感できない。理詰めでやればいいという事ではなく、1シーンごとに何にも勝るリアルを作り出すことは必須条件なんだよ」とまくし立てた。


何を主張したいのか、よく分かりません。映画は映画なりのリアリティを追求しなければならない、と言いたいのでしょうか?
漫画という完成された世界観、確立されたキャラクターを借りて映画化したところで、そこにはリアリティが不足しており、物語としての整合性に欠けた作品になってしまう場合もあるのだと
古い話を引っ張りだして恐縮ですが、井筒監督は映画「東方見聞録」を撮影していた際、俳優が重量9キロの鎧を着せて滝壺に落ちるシーンを描こうとしたのですが、俳優はそのまま溺れて死亡するという事故を起こしています。リアリティに執着したがゆえに、レプリカの軽い鎧ではなく、重さ9キロもの鎧を着用させたのでしょう
役者がフリで済ませたり、最近のようにCGで代用するのではなく、肉体を駆使したり、実際にトラックを横転させたりすることでリアルなシーンを描き出すのが映画だという考えなのだと推測されます
逆に言うなら漫画を実写化する際に、「これは(漫画を元にした)ファンタジーなのだから、リアリティなんか追求したらダメだ。かえっておかしくなってしまう」との弁解が先に立ち、手抜きが横行しているのかもしれません。この場合の手抜きとが「映画としての作り込み不足」を指します
井筒和幸監督は若いころに、あだち充の人気漫画「みゆき」の実写化を引き受けたものの、「電車内で初めて読んだ原作の内容の無さに呆れて本を放置した。仕事を続けるものの撮影前のカット割をしているうちに鬱状態となった」と自身の語っています。当時、売出中のアイドルが人気漫画のヒロインを演じるという、よくあるアイドル映画だったのですが、原作漫画の世界観やキャラクターにまったく共感できなかったのでしょうし、それを映画化するにあたってどうリアリティを追求すべきか悩んだのかもしれません
まあ、アイドル映画にリアリティを求める観客はいないわけですが、映画監督としてはそこで何とか自分の技量を発揮し、自分なりの表現方法を模索するものなのでしょう
他方で、アニメーションはアニメーションで完結された表現を追求するのであり、単に漫画が音声付きで動くだけでないのは言うまでもありません

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井筒監督の苦言はどうあれ、日本の映画関係者が漫画を実写化してヒットを狙う傾向はまだまだ続くと思われます。その結果、良作が生まれる可能性もありますし、とんでもない駄作が量産される危険もあります
たとえばAKB48のメンバーが演じる「けいおん!」の実写版など、見たいとは思わないのですが、秋元康なら企画しそうです

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