大阪幼児餓死事件を考える12 控訴審でも懲役30年

3歳と1歳になるこどもをマンションに放置して餓死させた下村早苗被告については、大阪地方裁判所で「こどもが部屋の中で死ぬかもしれないとの殺意があった」と認め懲役30年の判決を言い渡しています(検察側の求刑は無期懲役)
しかし、下村被告側は判決内容を不服として控訴し、大阪高等裁判所で争ってきました
12月5日、大阪高等裁判所は懲役30年とした一審判決を支持し、控訴を棄却する決定を下しました

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下村被告側の言い分は記事にもあるように、親からの虐待を受けた経験のある早苗被告は現実から逃避しようとする無自覚な行動があり、今回も幼いこどもを部屋に残して外出したが「死亡するとは思っていなかった」のであり、殺意はなかったというものです
殺意がないので、事件は殺人罪ではなく保護責任者遺棄致死罪が適用されるべきだと言いたいわけです。保護責任者遺棄の場合、法定刑は3年以上5年以下の懲役であり、致死の場合は傷害罪として過重されますので15年以下の懲役刑となります
下村被告は「殺人罪で懲役30年は重すぎる」と不満を抱いているのでしょう
別の報道では下村被告が大阪在住の夫婦と養子縁組をしたため、現在は下村早苗ではなく、中村早苗を名乗っていると指摘した上で、養父母の談話を伝えています

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「同じような事件で被害に遭う子供を出してほしくない。私にも何か伝えられることがあるのではないかと思った」と下村被告は控訴した心境を語っているのだそうですが、何とも身勝手な理由のように聞こえてしまいます
彼女自身が控訴審を介して何か明確なメッセージを発信できたようには見えません。むしろ、何のメッセージも発信できないまま、「自分の気持ちを分かほしい」と求め続けているようです
複雑な家庭状況下でほったらかしのまま生きていた少女時代の早苗被告も、自分の思いをことばにして伝えることができず、ただ誰かに「自分の気持ちを分かってほしい」と願い続けていたのでしょう
2人のこどもの育児に悩み、疲れ果てても、それを誰かに伝えられず、結局はこどもを放置して遊び歩き、イケイケのギャルとして振る舞うしかできなかったと推測されます
その一方で、下村早苗被告は、母親を求め続けることもたちの気持ちを分かってやれなかったわけであり、何とも痛ましい限りです

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