土浦8人殺傷事件犯金川真大 死刑執行

「1日に2件も死刑執行に関するブログを書くのもどうかな」と思いつつ、事件について考え、事件の意味を問うのが自分のライフワークなので金川真大による土浦8人殺傷事件を振り返りつつ、言及します
2008年3月に通りすがりの無関係な人々を次々とナイフで殺傷する、いわゆる無差別殺人を決行して逮捕されたのが金川真大です
逮捕当時から「死刑になりたい」と口にし、反省の色は全く示しませんでした
当時、金川真大の父親は外務省の高級官僚だと噂が流れましたが、真偽の程は不明です
後日判明したところによれば、金川真大はノンキャリアの外務官僚であった父親と、パートで働いていた母親との間に、長男として生まれました。その後、金川真大の下には2人の妹と1人の弟が生まれ、6人家族の家庭で育ったようです
金川真大は父親の転勤に伴い、上海やニューオーリンズなどで暮らし、小学校入学後は日本に帰国。しかし、小学校時代から不登校の状態となり、中学進学後もほぼ不登校だったとされます
家族間で何があり、どのような葛藤が生じたのかは不明ですが、早くから親子の間にひびが入り、修復できなかったものと考えられます
ただし、事件当時、金川真大はまだ24歳ですから、人生に絶望するだけの深い挫折を経験したわけでもなく、社会に対して恨みを抱くほどの世間の荒波にもまれたわけでもありません
そのため「動機がない殺人」であるかのように言われたりもしました
弁護側は統合失調症の前兆だと主張したものの、精神鑑定で統合失調症の疑いは否定し、鑑定医は金川被告を「自己愛性パーソナリティ障害」であると判定し、人格障害と見立てています
さて、事件の動機については金川真大の真意は本人が頑として語ろうとしないため不明のままです
秋葉原での無差別殺人を行った加藤智大にケースでは、事件の意味として両親への復讐が考えられるのですが、金川真大の場合は判然としません
ただひたすら「死刑になりたい」と繰り返すばかりです。拡大化解釈するば、これ以上生きて傷つくのが怖いから早く死にたい、との考えなのかなとも思うのですが、それだけで納得できる人はいないでしょう
裁判で検察側は、「被告はつまらない人生と決別するため死にたいという願望を抱き、見ず知らずの他人の生命を奪って死刑になることで満たそうとした」と指摘し、「犯行の動機は動機は身勝手、自己中心的で反省の態度も皆無である」と決めつけ、さらに「ゲーム感覚で他人の生命を簡単に奪ってしまう被告の性格を矯正することは不可能」と更生の可能性を否定しています。その上で、「被告は単なる人格障害に過ぎない。完全な責任能力があったことは明白であり減軽の余地はない」とする論告求刑を行ないました
検察特有の紋切り型な表現であり、「単なる人格障害」との決めつけには苦笑するしかありませんが、検察としても犯行に至るまでの心情を描くだけの材料がなく、他の表現のしようがなかったのでしょう
結局、「己の本心を他者に悟られないようにして死刑になりたい」という、金川真大の思惑がそのまま叶った形の死刑執行だと言えます

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