母親を殺害し解体した容疑で19歳の少年を逮捕

川崎市のアパートで切断された女性の遺体が発見される事件があり、被害者の女性の長男である19歳の少年が逮捕されています
遺体をバラバラにして運び出し、遺棄して殺人の証拠を隠滅しようとしたのではなく、母親の遺体を切り刻む行為そのものが目的ではなかったか、と推測されます
事件の発端を伝える記事が削除されてしまったため、裁判の傍聴記を貼っておきます
川崎・母親バラバラ殺人の全裁判を傍聴 事実を冷静に見つめる目を養いたい 
https://www.sankei.com/premium/news/141001/prm1410010005-n1.html
遺体を切り刻んでバラバラにする狙いとしては、遺体を運び出して捨てやすくするためとの説明もあります。また、相手に対する憎悪が根深く、遺体をバラバラに損壊してやろうという衝動に駆られているためとの説明もあります
ただ、本件のように母親を殺害してその遺体を切り刻むケースでは、近親相姦の代替行為と考えた方が適切でしょう
もっとも、逮捕された19歳の少年が自身の抱えた欲望をどこまで認識できていたのかは不明であり、自覚すらなかった可能性もあります
世間一般では「近親相姦など絵空事だろう」と思われがちですが、精神分析では昔も今も重要なテーマです
この場合、「近親相姦」は母親とのセックスという狭い意味で考えるのではなく、もっと幅広い解釈が必要となります
近親相姦が倫理に反する行為であるのを知らないはずはなく、知っていてなおも執着するところに歪んだ欲望が垣間見えるわけで、その欲望こそ問われなければなりません
母親との姦淫というタブーをあえて実行することで、禁忌を踏み越えることで、何らかの通過儀礼をパスし大人への階段を上がれるのだ、という思春期特有の幻想を19歳の少年が抱えていたと考えられます
もちろんそこには現実に近親相姦がかなわない苛立ちもあり、母親への憎悪から衝動的に殺害に至ってしまう事件の展開があって、少年の内に秘めた欲望は隠れてしまうのですが
いつも書いているごとく、母親を殺害して遺体を切り刻むという猟奇的な側面にばかり目を奪われてしまうと、事件の意味をとらえ損なってしまう危険があります
この事件では当然、起訴前に簡易精神鑑定が実施され、責任能力の有無を検討されるのでしょう
ですが、少年の行動はいかに異常に映ってもそれは説明可能なものであり、決して解釈不可能な支離滅裂なものではありません
犯行の異常性、残忍性だけを強調し、精神障害ゆえの犯行だと決め付けるようでは少年の内なる欲望を読み落としてしまい、少年の今後の処遇についての判断も誤ってしまうはずです

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