押井守監督「風立ちぬ」を語る

宮崎駿監督の作品「風立ちぬ」がどのように語られ、批評されるかを眺めて楽しもうという企画の何回目かです
今回は同じアニメーション監督で、お互いの作品を容赦なく批判し合う仲である押井守の批評を取り上げます
押井守と宮崎駿は対談本も出しているのですが、中身たるや悪口の言い合いと形容するしかないほど、ずけずけと相手の作品やその制作手法を批判し合っています。それだけ「同じ道を歩む者」という仲間意識で強く結びついているのでしょう

押井守が語る「風立ちぬ」感想

主人公二郎が宮崎駿その人自身である、との指摘は珍しいものではありません
多くの視聴者がそう感じたのでしょうし、批評の中でわざわざ書いている映画評論家もいます
が、押井守は誰よりも二郎の姿に宮崎駿の若かりし頃を重ねて観ており、その恋愛模様に赤面し、はらはらどきどきしている様が伝わってきます
親友の恋愛模様を目の当たりにし戸惑い、やきもきしている青年のように

宮さん、ついに色気づきました。
おそらく日本のアニメ史上、もっともキスシーンの多い作品でしょう。
新婚初夜のドキドキまで描かれています。
カプロニもユンカースも、九試単戦も吹っ飛びます。
零戦の映画だと思って見に行くと、古典的な恋愛映画でビックリ。

このように大人の恋愛を直接的に描いた宮崎駿の変化を、「もはや開き直ったとしか、考えられません。誤解のないように言っておきますが、これは大変に結構なことです」と押井守は評価します
作品の作り方が変わった、というテクニカルな変化以上に、宮崎駿自身の表現方法(端的に言えば思想)が変わったと押井守は受け止めたのでしょう
豚に恋愛を演じさせる(「紅の豚」)のではなく、自身を反映させた主人公の恋愛を真正面から描く決意を70歳を過ぎた宮崎駿が固め、描ききって見せたことに対する賞賛と共感が伝わってきます
「つまらなかった」とか、「面白かった」などという判断はどこにもなく、ただ1個の作品を作り上げ(「子供たちのために作る」などという大義名分・建前を離れ、自らの欲望の赴くまま、リピドーに導かれて描ききった)宮崎駿へのいたわり、ねぎらいが表明されていると自分は解釈しました
同業の、アニメーション監督ならではの立場からの感想でしょう
評論家ヅラをし、「オレには作品をぶった切るだけの知性と見識が備わっているのだ」と自慢している連中とは大違いです

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押井守論―MEMENTO MORI
日本テレビ放送網

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