「黒子のバスケ」脅迫事件 「負けました」を考える

人気漫画「黒子のバスケ」を巡る脅迫事件で犯人の渡辺博史(36歳)が逮捕された件は先に触れたところですが、逮捕時の発言「負けました」が話題になっているとJ-CASTニュースが記事にしています

黒バス脅迫男「負けました」に感想相次ぐ アニメ監督・山本寛は「お前らって『勝った負けた』なのね」

記事の言わんとするところを把握するため、以下引用しておきます

報道によると、12月15日15時ごろ、東京都渋谷区の路上で郵便ポストに新たな脅迫文を投函しようとしている渡辺容疑者を捜査員が見つけ、職務質問した。すると、容疑者は「ごめんなさい。負けました」と事件への関与を認めたという。犯人は「作者への怨恨」が動機だと脅迫文に記していたが、容疑者は「作者との面識はない」とした上で「バスケットボールの漫画で成功していることに対するやっかみがあった」と供述しているそうだ。
報道があった12月15日深夜以降、インターネット上は「黒子のバスケ」関連の話題で持ちきりだ。アニメ・漫画ファンからは安堵の声があがる一方で、「負けました」という供述に対しては「負けましたって何?イラッとする」「彼は、何と勝負していたのだろうか…」「勝ち負け二元論で世界を見ていることと、なおかつ脅迫行為に勝利の可能性を感じていたことの2点に驚きます」などと疑問の声も少なくない。
「らき☆すた」「かんなぎ」などの作品で有名なアニメーション監督の山本寛さんも16日、「この事件で一番思うのは、ああ、やっぱりお前らって『勝った負けた』なのね、ということ」「『勝った負けた』でないと世界を語れない現代。やだね。しんどいね」と不快感を示した。さらに「日本人には『勝ち負け』は似合わない。日本人はただ一生懸命やるだけ。みんな早く気づかないと、また戦争だよ」と、「行く末」を憂えていた。


何度読み返しても記事が言わんとするところを把握するのが困難です
この手の犯罪者が強迫行為によって万能感に浸り、勝利に酔いしれるのは珍しくもなく、渡辺容疑者もそうであったと推測されます
従って警察官に自分がマークされていたと知った時点で「負け」を認めたのは至極当然な反応でしょう
この発言だけを切り取って、「犯人はゲーム感覚で犯行を繰り返していた」などと指摘する有識者の出てきそうですが
「彼は何と勝負していたのだろうか?」との疑問に対しては渡辺容疑者が答えるのかもしれません。強いて言えば、漫画で成功していた作者に比べ負け組のような人生を送っていた渡辺容疑者が、強迫行為によって世間に復讐し勝利感に酔いしれて「勝った」気になっていたというのが事件の外見であり、そんなくだらない勝ち負けに渡辺容疑者が執着し犯行に全精力を注ぎ込んでいた、と説明するしかなさそうです
山本寛監督の「ああ、やっぱりお前らって『勝った負けた』なのね、ということ」、「『勝った負けた』でないと世界を語れない現代。やだね。しんどいね」発言に至っては、その真意は不明ですし、そこから「みんな早く気づかないと、また戦争だよ」と飛躍する思考の展開もまったく読めません
こちらも発言の真意を憶測するしかなく、蛇足となるのを承知で私見を書きます
人気の漫画やアニメ作品に群がり、勝ち誇ったように(まるで自分が創作したかのように)語るファンに嫌気と危惧を感じていたからこそ、こうした発言が飛び出したのではないかと思われます。そこには「勝ち組」とか「負け組」といった二元論でしか人を評価しない世間一般の風潮への失望もあるのでしょう
さらに憶測すれば、そのような勝ち負けだけに執着する風潮が「欧米に負けるな」といった戦前の視野狭窄な世界観にも繋がり、無謀な戦争へと突き進む愚を繰り返す展開に至る危険を憂えている、といったところでしょうか?
もちろん脅迫犯の渡辺容疑者にそこまで深い考えはなく、屈折した感情が生み出した犯行が思いがけず世間の反響を得たため、自分が「すごい人間」であるかのごとく勘違いし、舞い上がってしまって犯行を繰り返しただけなのかもしれません

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