「黒子のバスケ」脅迫事件 被告の手記がうざい

マンガやアニメで人気の「黒子のバスケ」の作者や関連イベントを脅迫し、妨害した容疑で逮捕・起訴された渡辺博史被告の手記が公開されています
これは渡辺被告が法廷で「意見陳述書」として読み上げようとしたものですが、裁判長から時間を制限されたため全文を読めず、雑誌「創」の篠田編集長の手によって公開された、との経緯があります
いつもながら、こうした形で公開される犯罪者の手記やインタビューに何らかの真実が垣間見えるとか、事件の真相が浮き彫りになるといった期待を寄せるのは大間違いであり、欺瞞と虚偽で塗り固められた「異物」を目の前に突きつけられる思いがします
長文ですが、以下のサイトで読めますので関心のある方は目を通してください


「黒子のバスケ」脅迫事件の被告人意見陳述全文公開1
精神分析家ジャック・ラカンなら、渡辺被告が何を語ったかに着目するのではなく、何を語らなかったかに着目するでしょう
渡辺被告は繰り返し報道が事実を伝えていないと指摘し、報道されない事実を自ら明らかにするのが意見陳述書の目的であると強調しています
しかし、こうも書いています
「取り調べで刑事さんから冗談めかして、「出所したら物書きにでもなったら? 喪服の死神の前歴を生かすならそれしかないよ」と言われました。自分は「冗談じゃない! 自分はもう物を言ったり書いたりする資格のない人間なんだよ」と叫びたくなりましたが、黙っていました。


「自分はもう物を言ったり書いたりする資格のない人間」だと自覚している素振りをしつつ、せっせと意見陳述書をしたため、法廷で読み上げようとするのですから矛盾を指摘するまでもありません
誰からも理解されたくないと拒絶をする風を装いつつ、誰かから理解されることを願い、自分の意見が共感を呼ぶことを期待しているからこそ陳述書を書いたと解釈して間違いなさそうです
へりくだった感じの文章ですが、自分の知性を誇示しようと格差社会を持ち出したり、「日本の国際社会における経済的地位の下降とともにやたらと『世界から称賛され、かっこいいと憧れられる日本』像が喧伝され始め」ていると指摘してみたりと、なかなか尖った意見を開陳していたりもします


ここまで書き上げて原稿を読み直しました。知性の欠片も感じられない実に酷い文章だと思いました。自分は高校は元首相やノーベル受賞者を輩出している地元一番の進学校に入学したのですが、それが間違っていたとつくづく思いました。


まあこれも、「自分は進学校から一流大学に入ってもおかしくない人間だったんだぜ」との自慢でしょう
残念ながら渡辺被告の言う格差社会と犯罪との関係には何の目新しさもなく、どこかで誰かが語っていた内容の受け売り程度です。要するに渡辺被告は批評のための理論が欠如しており、批評を組み立てられないのです。インターネットで拾った他人の言説を並べるだけで…
さて、ラカンの意見に従ってこの意見陳述書を読むと、書かれていないものが浮かび上がってきます
小学校時代のいじめ体験など、渡辺被告は書いても仕方がないと省略していますが、少なくともいじめ体験があったと仄めかしておきたかったのでしょう
さらに言うと、その部分に誰かが気づいてほしいとか、分かってほしいとの心情が察せられます。むしろ事件に関しての「反省などしない」とか、「刑務所から出たら自殺する」などの部分こそ余分であり無駄です
「自殺する」と宣言する人ほど自殺などしないものであり、渡辺被告は「こんなキモい奴は死刑でいいじゃないですか!」と書くのも、自分は絶対に死刑にならないと理解しているからです(事件では誰も殺していないのですから)
無駄に長い意見陳述書ですが、そこにあるのは小学1年生のときにいじめられていた自分を助けて、とのメッセージだと解釈できます
「黒子のバスケ」脅迫事件など渡辺被告にとってはどうでもよい問題であり、自分の本心を隠すための工作にすぎないとも言えます

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